当院外科は、消化管外科および肝胆膵外科の2つの診療部門があります。消化管外科は、主として食道癌、胃癌、大腸癌、消化管間葉系腫瘍(GIST)などの消化管の悪性疾患を治療しています。また、良性疾患である炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、食道裂孔ヘルニア、虫垂炎、消化管穿孔、複雑性腸閉塞、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなども治療しています。肝胆膵外科は、高度技能を駆使しつつ、高水準の医療を提供しています。主として原発性肝癌、転移性肝癌、膵癌、胆管癌などの肝胆膵の悪性疾患を治療しています。また、良性疾患である胆嚢結石症、胆嚢ポリープ、膵臓・脾臓の良性腫瘍なども治療しています。
いずれの部門においても低侵襲と考えられる内視鏡外科手術を標準治療として行っています。2020年にDa Vinci手術システムの導入に伴い、消化管癌および肝胆膵癌に対しロボット支援下手術を積極的に施行しています。松山医療圏の基幹病院として、高度専門医療を実践するための医療体制の充実を図り、これを隈なく提供できるよう心がけています。
近年、高齢化が進む本邦においては、糖尿病、肝・腎疾患、心血管疾患、呼吸器疾患、リュウマチ疾患などの合併症を有する患者様の増加が見られます。これら患者様には総合病院としての強みを生かし、個々の病態に応じた最適と思われるオーダーメイドな治療を、患者・家族様の意思を尊重しながら行うように心がけています。
2024年4月から、”医師の働き方改革”が始まり1年が経過しましたが、外科においては、”救急医療も含めた地域医療の確保を担う医療機関“、また、”研修・専門医研修の対象施設“であるとの認識の元、B水準の取得を県に申請し、指定をいただいています。

松山赤十字病院外科では、患者さんの様々なニーズに応えられるよう、また日進月歩の医学に迅速に対応できるように消化管外科、肝胆膵外科にそれぞれのエキスパートを配し、年間約800例以上の外科手術を行っています。十分な説明と同意、生活の質を重んじた過不足のない治療、証拠に立脚した医療を行っています。
| 外来新患者数 | 2,485人 ※血管外科、乳腺外科を含む |
|---|---|
| 外来1日平均患者数 | 50.7人 ※血管外科、乳腺外科を含む |
| 外科 | 1,103人 |
|---|
| 外来化学療法件数 | 275件 |
|---|
| <消化管> | 437例 |
|---|---|
| 食道・胃・十二指腸 | 112 |
| 小腸・大腸 | 325 |
| <肝胆膵> | 316例 |
| 肝臓 | 56 |
| 胆膵 | 56 |
| 胆嚢・胆管結石 | 201 |
| 脾臓摘出術 | 3 |
| <ヘルニア> | 155例 |
| そけい部 | 120 |
| 閉鎖孔 | 6 |
| 大腿 | 5 |
| 腹壁 | 9 |
| 臍 | 15 |
| <総手術例数> | 1,539例 |
| 氏名(筆頭者) | 題名 | 掲載雑誌名 |
|---|---|---|
| Kimura K | Transileocolic Portal Vein Embolization Increases Remnant Liver Volume After Major Hepatectomy. | in Vivo. |
| 氏名(発表者) | 演題 | 学会名(開催地) | 発表月日 |
|---|---|---|---|
| 南 一仁 | 胃GIST術後9年6か月目に多発肝転移再発を来した症例の外科的切除の経験 | 第96回日本胃癌学会総会(京都) | 2024.2.28 |
| 重松 太樹 | 門脈血栓症による小腸切除後ヘパリン起因性血小板減少症を発症した症例 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 安井 悠真 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術後におけるスプレー式癒着防止剤の有用性に関する検討 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 皆川 亮介 | 腹腔鏡下肝切除術における炭酸ガス塞栓の危険因子に関する検討 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 梶原 勇一郎 | 当院における鼠径部ヘルニア手術戦略 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 木村 光一 | 肝胆膵外科領域術式における術後胆汁瘻の診断とドレーン排液中直接ビリルビン値、間接ビリルビン値の関係 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 山村 悠貴 | 脾摘後重症感染症に対する複数ワクチン接種の必要性 | 第124回日本外科学会定期学術集会(常滑) | 2024.4.18 |
| 皆川 亮介 | 市中病院における術後合併症軽減への取り組み | 第36回日本肝胆膵外科学会・学術集会(広島) | 2024.6.28 |
| Kimura K | Significance of direct bilirubin level in drainage fluid of postoperative biliary fistula in hepatobiliary-pancreatic surgery | 第36回日本肝胆膵外科学会・学術集会(広島) | 2024.6.28 |
| 梶原 勇一郎 | 胸部食道癌手術における迷走神経牽引法による上縦隔リンパ節郭清の工夫 | 第78回日本食道学会学術集会(東京) | 2024.7.4 |
| 皆川 亮介 | Risk Factor analysis of Gas Embolism during Laparoscopic Hepatectomy | 第79回日本消化器外科学会総会(下関) | 2024.7.17 |
| 木村 光一 | 肝胆膵外科領域術式における術後胆汁瘻の診断とドレーン排液中直接ビリルビン値の測定意義 | 第79回日本消化器外科学会総会(下関) | 2024.7.17 |
| 山村 悠貴 | 当院における脾摘後重症感染症に関する検討 | 第261回福岡外科集談会(福岡) | 2024.7.20 |
| 貞元 駿一郎 | 腸管原発癌のPagetoid spreadと術前診断してロボット支援下腹会陰式直腸切断術を施行した1例 | 第261回福岡外科集談会(福岡) | 2024.7.20 |
| 安井 悠真 | 切除不能肝門部胆管癌に対して、GC療法にデュルバルマブを上乗せした3剤併用療法を行い、conversion surgeryに至りCRを獲得した一例 | 第76回愛媛外科会総会(松山) | 2024.8.3 |
| 貞元 駿一郎 | 腸管原発癌のPagetoid spreadと術前診断してロボット支援下腹会陰式直腸切断術を施行した2例 | 第99回中国四国外科学会総会(高松) | 2024.9.5 |
| 安井 悠真 | 切除不能肝門部胆管癌に対して、GC療法にデュルバルマブを上乗せした3剤併用療法を行い、conversion surgeryに至りCRを獲得した一例 | 第99回中国四国外科学会総会(高松) | 2024.9.5 |
| 木村 光一 | 地方中核市中病院における腹腔鏡下膵体尾部切除術の修練実績と定型化 | 第99回中国四国外科学会総会(高松) | 2024.9.5 |
| 信藤 由成 | 当院でのロボット支援下胃癌手術の現状及び手術に難渋した出血・幽門狭窄を伴う高度進行癌の1例 | 第99回中国四国外科学会総会(高松) | 2024.9.5 |
| 木村 光一 | 亜全胃温存膵頭十二指腸切除後の仮性動脈瘤破裂に対する末梢型ステントグラフト留置の有効性と課題 | 第16回日本Acute Care Surgery学会学術集会(高松) | 2024.10.10 |
| 木村 光一 | 術後胆汁瘻の診断とドレーン排液中直接ビリルビン値、間接ビリルビン値の関係 | 第60回日本胆道学会学術集会(名古屋) | 2024.10.12 |
| 皆川 亮介 | 膵切除術後出血予防のための取り組み | 第18回肝臓内視鏡外科研究会(宇都宮) | 2024.11.20 |
| 南 一仁 | 切除可能境界食道胃接合部癌に対し術前化学療法後根治切除を施行した経験 | 第86回日本臨床外科学会学術集会(宇都宮) | 2024.11.21 |
| 梶原 勇一郎 | 当院におけるLECSの治療経験と展望 | 第37回日本内視鏡外科学会総会(福岡) | 2024.12.5 |
| 皆川 亮介 | 当院におけるロボット支援肝切除術導入と現状 | 第37回日本内視鏡外科学会総会(福岡) | 2024.12.5 |
| 南 一仁 | ロボット支援下胃切除術後低ナトリウム血症にて発症し抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断した1例 | 第37回日本内視鏡外科学会総会(福岡) | 2024.12.5 |
| 木村 光一 | 地方中核市中病院における腹腔鏡下膵体尾部切除術の修練実績 | 第37回日本内視鏡外科学会総会(福岡) | 2024.12.5 |
| 氏名(発表者) | 題名 | 講演名(開催地) | 発表月日 |
|---|---|---|---|
| 西﨑 隆 | グリーンホスピタルに向けてのイノベーション | 第60回日本赤十字社医学会総会(仙台) | 2024.10.17 |