令和2年4月より、松山赤十字病院呼吸器センター長、呼吸器外科部長として就任致しました。
私は九州大学卒業後、九州大学医学部第二外科に入局し、大学病院、広島赤十字原爆病院で研修後、九州大学生体防御医学研究所免疫学部門で肺癌の免疫の研究を開始しました。
平成8年から産業医科大学第二外科で、呼吸器外科・呼吸器腫瘍学の研鑽を積み、このころから肺癌の外科治療のみならず、早期から進行期までの診断と治療を行っていました。
平成9年から2年間、がん免疫療法研究の世界的権威であるベルギールドヴィック癌研究所に留学し、がんの免疫療法を学びました。その後、北九州市立医療センター部長、産業医科大学呼吸器・胸部外科講師、九州大学病院呼吸器外科(2)副科長として勤務した後、平成24年より九州がんセンター呼吸器腫瘍科(担当病床数70床)の責任者・部長として8年間勤務し、がん相談支援センターの室長、外来部長の経験もさせていただきました。
そこでは外科・内科関係なく悪性腫瘍の早期から進行癌まで担当し、多くの臨床試験や、新規薬剤の治験も経験させていただきました。特に近年注目されている免疫療法のオプジーボ、キートルーダ、テセントリクをはじめとした肺癌新規薬剤の治験責任医師も担当しました。このような呼吸器外科手術や肺癌治療のこれまでの貴重な数多くの経験を活かして、良性疾患や早期癌に対する低侵襲手術はもちろんですが、局所進行癌に対する集学的治療(化学療法や放射線治療と手術の組み合わせなど)も積極的かつ総合的な治療を行っています。
当科では、令和3年よりロボット支援下手術を導入しました。肺癌に加え、縦隔腫瘍に対するロボット支援下手術も行っております。ロボット支援下手術は、術者が三次元画像を見ながら解剖を詳細に確認できる点、胸腔内で自由度の高い関節のある器具を使用できる点、手ぶれが全く無い点、術後疼痛の軽減などのメリットがあります。今後の発展・進歩が望める分野であり、施行件数は増加しております。
当科(当センター)では治療の一貫性を保つため、個々の患者さんの治療法は主治医の独断ではなく、全医師参加のカンファレンスによって決定しています。患者さんの希望に添った、かつ自分の大切な人を治療する気持ちで、最善・最良の医療を提供できるよう心がけています。
肺、縦隔、胸壁、横隔膜などに発生する疾患を対象として専門的な手術を年間約200例(原発性肺癌は100例以上)行っています。診療情報のページに説明します手術以外にも、肺癌の薬物用法や放射線治療、緩和治療なども呼吸器センターとして行っています。
呼吸器センターは、呼吸器疾患をより効率よく、より総合的な診療を行うことを目的に昭和63年に設立されました。初代呼吸器センター長は産業医科大学名誉教授 安元公正先生で、現在5代目の竹之山が務めています。呼吸器センターでは、呼吸器疾患を専門的にかつ迅速・効率的に総合的治療を行うべく、現在呼吸器外科スタッフ3名、呼吸器内科スタッフ4名、レジデント数名で担当しています。特に肺癌のような悪性疾患では内科的治療・外科的治療を駆使した集学的治療が必要な場合もあり、呼吸器センターとしての役割を果たしています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
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呼吸器外科 | 再診 | 吉田 | 松堂 | 吉田 | ||
松堂 | ||||||
新患(外来) | 担当医 | 竹之山 | 竹之山 | |||
検査・手術 | 手術 | 気管支ファイバー | 手術 | 気管支ファイバー・(手術) | 気管支ファイバー |
● 呼吸器外科専門医合同委員会認定専門研修連携施設
外来患者延数 | 4,745人 |
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外来新患者数 | 435人 |
1日平均外来患者数 | 13.0人 |
入院患者延数 | 3,805人 |
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新入院患者数 | 342人 |
1日平均入院患者数 | 10.4人 |
原発性肺腫瘍(良性) | 4例 | |
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〃 | 区域切除 | 1例 |
〃 | 部分切除 | 3例 |
原発性肺腫瘍(悪性) | 108例 | |
〃 | 葉切除(開胸) | 1例 |
〃 | 葉切除(鏡視下) | 26例 |
〃 | 葉切除(ロボット支援下) | 28例 |
〃 | 区域切除 | 7例 |
〃 | 部分切除 | 41例 |
〃 | その他 | 5例 |
転移性肺腫瘍 | 15例 | |
〃 | 葉切除(鏡視下) | 1例 |
〃 | 区域切除(ロボット支援下) | 1例 |
〃 | 部分切除(鏡視下) | 13例 |
縦隔腫瘍 | 15例 | |
〃 | 摘出術 | 14例 |
〃 | その他 | 1例 |
膿胸・感染症疾患 | 33例 | |
〃 | 胸腔掻把術,ドレナージ | 29例 |
〃 | その他 | 4例 |
気胸 | 27例 | |
〃 | ブラ切除・縫縮術(開胸) | 0例 |
〃 | ブラ切除・縫縮術(鏡視下) | 22例 |
〃 | その他 | 5例 |
その他 | 10例 |
氏名(筆頭者) | 題名 | 掲載雑誌名 | |
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Yoshida T | A case of total arch replacement and lung lobectomy for infected aortic aneurysm ruptured into lung. | Journal of Clinical Studies & Medical Case Reports. |
氏名(発表者) | 演題 | 学会名(開催地) | |
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吉田 月久 | 胸腺腫瘍を疑われ外科的切除を行われた縦隔血管腫の1例 | 第66回関西胸部外科学会学術集会(大阪) | 2023.6.8 |
桂 正和 | 肺癌との鑑別を要した関節リウマチ患者におけるメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 | 第68回西四国肺癌研究会(松山) | 2023.6.24 |
桂 正和 | 当院における非小細胞肺癌症例の術後Atezolizumabの使用経験 | 第40回日本呼吸器外科学会学術集会(新潟) | 2023.7.13 |
徳永 貴之 | 前縦隔の悪性Triton腫瘍の外科切除例 | 第40回日本呼吸器外科学会学術集会(新潟) | 2023.713 |
徳永 貴之 | 肺癌が疑われた線毛性粘液結節性乳頭状腫瘍の1切除例 |
第68回日本呼吸器学会中国・四国地方会 |
2023.7.15 |
山村 悠貴 | 超高齢のMET遺伝子エクソン14スキップ変異陽性肺癌術後再発例におけるTepotinib療法の検討 | 第260回福岡外科集談会(福岡) | 2023.7.29 |
徳永 貴之 | 肺癌が疑われた線毛性粘液結節性乳頭状腫瘍の2切除例 | 第75回愛媛外科学会総会 第9回日本臨床外科学会愛媛県支部例会(松山) |
2023.8.5 |
吉田 月久 | 当院における肺がん地域連携パスの取り組み~術後ICIパスの新規作成~ | 第64回日本肺癌学会学術集会(千葉) | 2023.11.2 |
山村 悠貴 | MET exon 14skipping陽性の肺癌術後再発に対しテポチニブを投与した2例 | 第64回日本肺癌学会学術集会(千葉) | 2023.11.2 |
徳永 貴之 | 当科における肺癌術後adjuvantICIの後方視的検討 | 第74回日本気管食道科学会(福岡) | 2023.11.14 |
桂 正和 | 当科におけるロボット支援下手術の導入と工夫 | 第36回日本内視鏡外科学会総会(横浜) | 2023.12.7 |
氏名(発表者) | 演題 | 講演名(開催地) | 発表月日 |
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竹之山 光広 | 当院におけるコーチングの導入と現状 ―私たち外科医に起きている変化― |
第97年丙辰会 東北大学医学部第一外科(仙台) | 2023.11.11 |