私たちは、患者の皆様の権利を尊重した医療の提供に努めます。
一人の人間として、その人格、価値観などを尊重される権利があります。
院内でのプライバシーが守られる権利、診療の過程で得られた個人情報の秘密が守られる権利があります。
良質な医療を公平に受ける権利があります。
診療に関して、理解しやすい言葉や方法で納得できるまで十分な説明と情報を受ける権利があります。また診療に関する情報について聞かない権利もあります。ご自分の診療記録(カルテ)の開示を求める権利があります。
十分な説明と情報を受けたうえで、治療方法などを自らの意志で選択、または拒否する権利があります。この病院以外での診療を希望する権利、他施設の医師の意見を聞く権利があります。(セカンドオピニオン)
インフォームド・コンセント(説明と同意)は患者さんに十分な説明を行うことが医療提供の重要な要素であると考え、患者さんと医療従事者の関係を上下関係や対立の構図ではなく、お互いの立場を尊重し、お互いの理解を深めた上で、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(生活と人生の質)の確保・向上を目的とした質の高い医療を達成しようという考えにもとづいています。
患者さんへの診療行為は、主治医とその関連する医療従事者がチームで行います。緊急時には当直医などの他の医師や他の職種が行うことがあります。
血液検査・尿検査・単純レントゲン検査・超音波検査等の侵襲性(体への負担)が少ないと判断される検査・治療等に関しては口頭で説明します。手術、カテーテル検査治療などの侵襲性(体への負担)が多いと判断される検査・手術・治療に関しては、文書を用いて説明します。この場合、医師、患者さん、そしてその診療行為に関係する看護師等の当院職員が原則インフォームド・コンセントに立ち会います。
患者さんのご家族から、同意を得るに当たり、病状、治療の目的・方法、予測される治療効果とリスク、説明する治療を行わない場合の他の治療法、予後(治癒する確率)、予想される術後の経過、予想される合併症、治療を行わなかった場合の不利益、緊急時の処置等について説明を行なった上で、承諾・同意をいただきます。患者さんはご家族と十分検討された上で、承諾・同意をしてください。患者さんには最終的な自己決定権(医療を選び決定する権利)があり、予定される検査・手術・治療等を拒否した場合でも患者さんに不利益はありません。承諾・同意後に、気持ちが変わった場合には、すみやかに主治医あるいは看護師に申し出て下さい。他施設でのセカンド・オピニオンを希望される場合も医師あるいは看護師に遠慮なく申し出てください。
患者さんが未成年または意思表明が困難であると当方が判断した場合などは、患者さん側の親権者、親族または後見人の方の立会いをお願い致します。同意書には、医師、患者さんと立ち会われたご家族の方、さらに職員の立会いがあった場合はその職員の署名(自署は押印不要)を行ないます。
このように治療を受けられる患者さんに医療者側から十分な説明を受けた上で、治療に対して十分な同意を頂いてから医療提供を行うことを当院の信条としています。
何かご不明な点がございましたら、主治医あるいは看護師にお尋ねください。
私たちが最善の医療を提供するために患者の皆様へご協力をお願いいたします。
より安全な医療を行うために、患者さんご自身にもお名前を確認していただくようお願いしています。検査・処置・注射・お薬等を受けられる前には、患者さんと職員での相互確認のため、患者さんからもご自身のお名前を姓と名でおしゃっていただきますようご協力お願いいたします。
医療安全の観点から「患者さんの間違い防止」を目的として入院中の患者さんにリストバンドを装着していただきます。より一層安全な医療を提供する取り組みにご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
・リストバンドに記載されているお名前をご確認ください。
・入院期間中は常に装着してください。水や洗剤で文字が消えることはありませんが、手洗い・入浴後などは、水分は拭き取ってください。
・外出、外泊時などで一時的にリストバンドをはずすことを希望される場合は、病棟看護師に申し出てください。
・リストバンドがきつい場合や肌にトラブルが起きた場合は、すぐに病棟看護師にお知らせください。
医療職を目指す学生及び研修生等の実習受け入れ施設となっております。実習にあたり、実習指導者の責任のもとに、患者さんの診療や療養の場に立ち合わせていただくことや、援助をさせていただくことがあります。その際は、患者さんの尊厳と秘密を守ります。実習内容によっては、同意書を取らせていただく場合もございます。これらのことをご理解いただき、医療を通し、広く社会に貢献できる人材の育成にご協力をお願いいたします。
当院は、職員の労働環境の安全確保及び医療サービスを適切に行う為、患者さんから職員へ向けた下記のような迷惑行為(身体的・精神的暴力等)に対し、診療をお断りすると共に所轄警察に届ける場合があります。また、職員の注意・忠告などが受入れられず改善されない場合には、「強制退院」又は「病院への立ち入り禁止」等の強制措置を講じる場合もあります。
記
当院すべての職員が病院基本理念および基本方針に基づき、意欲と誇りをもってその使命を果たすことを目的として、職業倫理に関する方針を定める。
当院の基本理念および基本方針に基づき、患者の権利を尊重し、質の高い医療を提供することを目的として、臨床における倫理に関する方針を定める。
松山赤十字病院では、病院の基本理念、基本方針にそって、患者の皆様の権利を尊重した医療を行うよう努力しています。その中で「患者の皆様と医療者のパートナーシップ」を重要な事柄と位置づけています。
「インフォームドコンセント」「診療情報の開示」「セカンドオピニオン」などにより、患者の皆様が、ご自分の病気の治療に主体的に関わることができるように努めています。安全管理、個人情報の保護、様々な医の倫理の問題については、委員会、検討会などを行い、病院全体として組織的に取り組んでいます。
しかし、これらのことは医療者側だけの努力でできることではなく、患者の皆様との間で良好なパートナーシップを築くことが重要です。そのために「患者の皆様へのお願い」を提示しました。具体的には、安全確保のためにアレルギー歴など、ご自身の健康に関する情報を医療者にお伝え下さい。また病院のいろいろな場所で名前を名のっていただいたり、必要な場合はリストバンドを付けていただくことがあります。
解らない事がありましたら納得ができるまで質問して下さい。お困りの点、お気づきの点がありましたら医療相談窓口へお越し下さい。
患者意見箱へ投書していただいたり、直接、職員へお話していただいても結構です。
患者の皆様と医療者が協力して、よりよいパートナーシップを作り上げていきたいと考えています。