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中央検査室

Medical Laboratory

中央検査室では24時間体制で、正確・迅速にさまざまな臨床検査を行い、患者さんの診断治療に役立てるよう努めています。

臨床化学・血清検査

このページの内容

生化学検査

生化学検査では、血液(血清)・尿・髄液・胸腹水、その他の体液に含まれる様々な成分を測定しています。 多検体を安全・迅速に効率よく検査するために、採血後に遠心分離された血清検体は、自動検体分注装置により分析前工程の開栓・分注・仕分された後、搬送装置で速やかに各分析機へと運ばれ測定開始します。 平成29年9月より、生化学分析装置に加え、新たに免疫分析装置2台を自動搬送ラインに連結し、より迅速な検査が可能となりました。また、検体はすべてバーコードで管理されヒューマンエラーを防止しています。 当検査室では時間外においてもルチン機器と同等のレベルの機器を用い、緊急度の検査が24時間出来る体制をとっています。
自動検体分注装置
自動検体搬送装置と自動分析装置
生化学・免疫自動分析装置(時間外)

■主な生化学測定項目■

分類 検査項目
電解質及び無機物質 Na、K、Cl、Ca、Mg、Cu、Zn、P、Fe、UIBC
肝胆道関連物質 総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、直接ビリルビン、AST、ALT、LD、ALP、胆汁酸、ALD、γ-GTP、ChE
脂質 総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール
腎機能関連物質 尿素窒素、クレアチニン、尿酸、β2マイクログロブリン、重炭酸塩
心筋マーカー CK、CK-MB
炎症性マーカー CRP
その他 免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM、IgE)、補体(C3、C4、CH50)、KL-6、MMP-3、RF、NAG、アミラーゼ、フェリチン、ヘリコバクターピロリ抗体、ペプシノーゲンI・II、可溶性IL-2レセプター

糖尿病関連検査

血糖、HbA1c、GA測定装置
血糖 採血時の血糖濃度です。
ヘモグロビンA1c 過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。
グリコアルブミン(GA) 過去2週間の平均血糖値を反映します。
インスリン 膵臓で産生され、血糖を下げる唯一のホルモンです。
Cペプチド 内因性インスリン分泌能を表します。

血清蛋白分画

病的状態になると各血清蛋白濃度のバランスが崩れ、疾患特有の波形がみられます。多発性骨髄腫、ネフローゼ症候群、肝硬変、急性・慢性炎症、自己免疫疾患などの目安をつけることができます。

当院では測定時間が短く高感度なキャピラリー電気泳動装置を導入し、迅速に結果報告を行っています。またイムノタイピングによりM蛋白や尿中ベンスジョーンズ蛋白の同定も可能です。

キャピラリー電気泳動装置
M蛋白陽性例での分画波形

機能検査

肝機能検査 異物排泄機能検査(ICG試験)
膵臓機能検査 経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
糸球体機能検査 24時間内因性クレアチニンクリアランス(CCr)

血中薬物濃度測定

フェノバール、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸、ジゴキシン、テオフィリン、バンコマイシン、シクロスポリン、タクロリムス、メソトレキサート

一般検査

一般検査室では、尿、便、関節液、精液、寄生虫検査を行っています。

尿検査

尿定性検査 尿の混濁や色調、尿中の蛋白や糖などの半定量に加えて、糖尿病性腎症の早期発⾒につながる微量アルブミン/クレアチニン⽐も測定しています。
尿沈渣検査 尿中に含まれる有形成分(赤血球・白血球・上⽪細胞など)を自動分析装置や顕微鏡で観察して報告します。
ベンスジョーンズ蛋白検査 スルホサリチル酸法でグロブリンの有無を確認後、熱凝固法によりベンスジョーンズ蛋白を検出します。
尿定性分析・尿中有形成分分析装置
便潜⾎⾃動分析装置

便検査

便潜血大腸からの微量な出血を、⾦コロイド標識抗ヒトヘモグロビン抗体を用いて、自動分析装置で調べています。大腸癌のスクリーニング検査として有用です。
寄生虫卵・原虫検査便中の寄生虫および寄生虫卵を顕微鏡で調べます。また、便や大腸粘膜より採取された組織片を顕微鏡で観察する、原虫(赤痢アメーバなど)検査も行っています。

その他

精液検査精液中の精子数、運動率などを検査しています。生殖医療の補助診断として役立っています。
関節液検査関節液中の結晶を偏光顕微鏡で観察し、痛風と偽痛風の鑑別を行います。
イムノクロマト法尿中肺炎球菌莢膜抗原、レジオネラ抗原、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンをイムノクロマト法で検出します。

血清検査

感染症の抗原・抗体や腫瘍マーカー、ホルモンなどの検査を、基本的には抗原抗体反応を利用して自動分析装置にて測定しています。超微量な物質の検査であり、例えると25mプールにスプーン1杯の物質を溶かしたくらいの濃度を測っていることになります。

検査機器・試薬の検討を重ね、より性能の良い試薬を使用して検査しています。うち2台は搬送ラインに接続して効率化と報告時間短縮に努めています。

免疫血清自動分析装置(感染症・腫瘍マーカー)

免疫血清自動分析装置(腫瘍マーカー・ホルモン)

生化学機器と免疫機器の搬送ライン

感染症検査

感染症を引き起こす抗原(病原体)や、それに対応する抗体が血清中にあるかどうかを調べる検査です。

検査項目関連疾患
HBs抗原・抗体、HBe抗原・抗体、HBc抗体B型肝炎ウィルス感染
HCV抗体C型肝炎ウィルス感染
HIV抗体HIV感染
RPR・TP抗体梅毒
プロカルシトニン、エンドトキシン菌血症
β-D-グルカン真菌感染症

腫瘍マーカー検査

癌細胞から産生・分泌されるタンパク質を腫瘍マーカーといい、癌の診断、再発、予後判定、治療後の経過観察に利用されます。しかし値が高ければ必ず癌というわけではなく、良性疾患で上昇する場合もよくあります。最終的には画像検査やその他の検査結果と併せて判断されます。

検査項目 関連疾患
AFP(α-フェトプロテイン)、AFP‐L3分画、PIVKA-II 肝細胞癌
CEA(癌胎児性抗原) 胃癌・乳癌・膵癌・大腸癌・肺癌・胆道癌
CA19-9 膵癌・胆道癌
CA125 卵巣癌・子宮癌・乳癌
CYFRA(サイトケラチン19フラグメント) 肺癌(扁平上皮癌)
ProGRP 肺癌(肺小細胞癌)
総PSA(前立腺特異抗原)・遊離PSA 前立腺癌

ホルモン検査

検査項目 関連疾患
TSH・FT3・FT4・TR-Ab
サイログロブリン・抗TPO抗体
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)など
iPTH(副甲状腺ホルモン) 副甲状腺異常
インスリン・C-ペプチド 糖尿病
BNP(脳性ナトリウム利尿ポリペプチド)、
トロポニンI
心不全や心筋梗塞の早期発見

遺伝子検査

検体分注から結果報告まで全自動での遺伝子検査が可能であるCobas5800を導入してHBV-DNA、HCV-RNAの遺伝子検査を行っています。( Cobas5800は、血中に存在する微量なウイルス遺伝子を増幅し、定量する検査を行う機器です) 本検査ではウイルスの有無だけでなく、ウイルス量を定量することで治療効果や病態、またウイルス再活性化などを察知することができます。

Cobas5800
PCR前処理装置
遺伝子増幅装置