微生物検査室では、患者さんから得た検体(尿、喀痰、膿、便、血液など)から質量分析装置で起因菌の同定をおこない、感染症迅速診断と適正な抗菌薬治療に貢献しています。また、各耐性菌の検出状況、微生物検査室情報(分離菌レポート、検出率、話題提供、アンチバイオグラム表など)を発行し、耐性菌情報の発信源として院内感染防止対策活動に努めています。
遺伝子検査装置(TRC法3台とGene Xpert)を用いて、検体(鼻咽頭ぬぐい液・唾液)提出から50分で結果報告しています。早期診断・感染拡大防止に貢献できるよう、高精度かつ迅速な検査を24時間体制で実施しています。
結核患者さんが咳をすると結核菌は空気中に長時間浮遊し、他の患者さんが感染する恐れがあります(空気感染)。遺伝子検査により結核菌の存在を証明することで迅速診断・治療および院内感染防止対策に貢献しています。
ノロウイルスは微量のウイルス量でも感染、発症し重篤化することもあります。特に免疫力の低下した入院患者さんに感染させないため、院内発症を疑う場合は微量のノロウイルスを検出できる遺伝子検査を行っています。
細菌を制限酵素により切断し、遺伝学的に類似かどうかを比較・同定する検査です。院内感染が疑われた場合はこの検査を用い、院内感染を回避することに努めています。