泌尿器科では尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)と男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎等)の疾患を診療の対象としています。その疾患の種類としては膀胱癌、前立腺癌等の悪性腫瘍、腎盂腎炎、膀胱炎等の感染症、腎結石等の尿路結石、さらに小児の水腎症等の先天奇形や女性泌尿器科(骨盤臓器脱等)の分野まで非常に多岐にわたります。これらの中で最も多いのは尿路性器の腫瘍で、高齢化社会の進行に伴いさらに増加傾向にあります。治療は手術が中心となりますが、腫瘍によっては放射線治療や薬物療法が有効なものもあります。ご高齢の方は他科の合併症をもっておられることも多く、当科では患者さんお一人お一人のお体の状態やご希望に合わせて最善の治療が行えるように心がけております。

外来での診療スタッフは、矢野明(部長)、林 哲太郎(副部長)、野田輝乙(副部長)、松崎信治(副部長)、坂本勇樹(医師)、上田直樹(医師)の医師6名、看護師4名、診療放射線技師1名、医療事務2名であります。入院患者さんは、主治医・担当医の両者であたるチーム医療体制をとり、十分なカンファレンスで検討し、十分なインフォームド・コンセントを実践しています。矢野、林、野田、松崎の4名は日本泌尿器科学会指導医、当院は日本泌尿器科学会教育施設認定を受けています。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | (担当医) | 矢野 | 矢野(第1、3、5週) | (担当医) | (担当医) |
| 林 | 林 | ||||
| 野田 | 野田(第2、4週) | ||||
| 松崎/上田 | 松崎/坂本 | ||||
| 小児泌尿器科 (第2、4週) |
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| 午後 | 予約検査 | 予約検査 | 第1・3ストーマ外来 | ||
| ※月・木・金曜日は手術日のため、診療担当医が変更になる場合がございます。 ※月曜日は手術日のため、予約患者さまのみ診察をさせていただきます。 ※初診の患者さまは、紹介状をお持ちの方のみ診察をさせていただきます。(令和4年6月から) |
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※令和4年6月から新患は紹介状をお持ちの方のみ診察させていただきます。
| 新患者数 | 1,569人 |
|---|---|
| 一日平均患者数 | 40.1人 |
| 新入院患者数 | 761人(年間) |
|---|
| <尿路性器腫瘍> | |
| 腎癌 | 45例 |
|---|---|
| 腎盂尿管癌 | 63例 |
| 膀胱癌 | 190例 |
| 前立腺癌 | 190例 |
| 精巣癌 | 1例 |
| 前立腺肥大症 | 13例 |
| <尿路性器感染症> | |
| 腎盂腎炎 | 48例 |
|---|---|
| 前立腺炎 | 1例 |
| 尿路結石 | |
| 腎結石 | 24例 |
|---|---|
| 尿管結石 | 38例 |
| 膀胱結石 | 7例 |
| 総手術件数 | 405件(年間) |
|---|
| <副腎・腎の手術> | |
| 副腎摘除術(全てロボット支援手術) | 8例 |
|---|---|
| 腎部分切除術(全てロボット支援手術) | 15例 |
| 根治的腎摘除術(全てロボット支援手術) | 12例 |
| 腎尿管全摘術(全てロボット支援手術) | 21例 |
| <尿管・膀胱の手術> | |
| 経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 101例 |
|---|---|
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膀胱全摘除術(全てロボット支援手術) (尿路変更は 回腸導管造設 尿管皮膚瘻造設術 新膀胱造設術) |
8例 (3例) (0例) |
| <前立腺の手術> | |
| 経尿道的前立腺切除術 | 13例 |
|---|---|
| 前立腺全摘除術 (全てロボット支援手術) |
58例 |
| <尿路結石の手術> | |
| 経尿道的尿管結石砕石術 | 9例 |
|---|---|
| 体外衝撃波砕石術(入外) | 14例 |
| 経尿道的膀胱結石砕石術 | 9例 |
| <その他> | |
| 仙骨腔固定術(全てロボット支援手術) | 5例 |
|---|---|
| 停留精巣固定術 | 1例 |
| 精巣捻転術 | 3例 |
前立腺癌は、人口の高齢化に伴い増加傾向を認めています。腫瘍マーカーとしてのPSAが普及し、より早期で発見が可能となってきました。早期癌の根本的治療としては前立腺全摘除術、放射線療法があります。
当院では2009年3月から腹腔鏡下前立腺全摘術を開始、さらに2019年4月よりロボット支援手術(ダヴィンチ)を導入しました。現在、年齢や全身状態等を考慮し、症例ごとに最適な治療の選択を行える体制となっています。
ロボット支援腹腔鏡下手術は前立腺癌以外にも適応が拡がっており、当科では膀胱全摘除術、腎部分切除術、腎尿管摘除術、腎摘除術、副腎摘除術等もロボット支援下に行っています。
女性特有の泌尿器科疾患も最近注目されています。当科では腹圧性尿失禁に対する手術的治療を以前から行っていました。それに加え,骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨膣固定術を導入しました。
| 氏名(筆頭者) | 題名 | 掲載雑誌名 | |
|---|---|---|---|
| Hayashi T | First case report of robot-assisted radical cystectomy and intracorporeal urinary diversion using the hinotori Surgical Robot System | Transl Cancer Res | |
| 氏名(発表者) | 演題 | 学会名(開催地) | 発表月日 |
|---|---|---|---|
| 林 哲太郎 | 両側水腎症を呈した増殖性膀胱炎に対して漢方薬が奏効した1例 | 第40回泌尿器科漢方研究会学術集会(神戸) | 2024.6.22 |
| 野田 輝乙 | 前立腺癌術後follow-up期間の検討:いつまでfollowするのか? | 第111回日本泌尿器科学会総会(横浜) | 2024.4.26 |
| 野田 輝乙 | 術前水腎症の腎尿管全摘後残存腎機能への影響 | 第89回日本泌尿器科学会東部総会(山形) | 2024.10.5 |
| 松崎 信治 | 免疫チェックポイント阻害薬による自己免疫性脳炎の1例 | 第74回 日本泌尿器科学会中部総会(金沢) | 2024.11.24 |
| 氏名(発表者) | 題名 | 講演名(開催地) | 発表月日 |
|---|---|---|---|
| 林 哲太郎 | 検尿とPSA検診からの健康長寿 | 令和6年度 赤十字健康大学(愛媛CATV) | 2024.9.14 |
| 林 哲太郎 | 上部尿路上皮癌の予後改善を目指した周術期補助療法 | UC Expert Seminar in Ehime2024(松山) | 2024.11.6 |