検診での尿所見異常から慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、急性腎不全、血液透析を代表とする各種血液浄化法、CAPDなど腎臓病の全ての分野を網羅して診療を行っています。腎移植は平成15年10月に移植外科医が転勤にていなくなったため、今までに移植した患者さんの外来治療のみを行い、新規の腎移植は愛媛県立中央病院泌尿器科・愛媛大学附属病院泌尿器科へ依頼しています。
水曜日は手術日であり緊急の対応が難しい事がありますが、積極的に紹介患者を受け入れて対応しております。紹介時に過去の腎機能や検尿所見を診療情報提供書に添付して頂くことで、事前の病態把握に役立ち大変助かっています。
検査や治療の標準化のために、シャントの手術やPTA、腎生検や多発性嚢胞腎のサムスカ導入など積極的にクリニカルパスを導入しています。
シャント手術は1-2泊程度の短期入院、シャントPTAは原則日帰りとし、一部閉塞血管の治療後は再血栓化の予防で一泊入院を頂き抗凝固治療を行っています。腎生検も3-4日、多発性嚢胞腎のサムスカ導入も1泊入院と患者さんの生活に支障を来さぬように短期入院を心がけています。
その他、腎不全患者さんの合併症治療も積極的に受け入れを行っています。その他、他科からのコンサルテーションを受けて、輸液治療や緊急透析やCHDF、血漿交換、エンドトキシン吸着、LDLアフェレーシス療法など特殊血液浄化治療法も積極的に実施しています。
年間約100例の腎生検を行っています。病理組織所見は病理医の診断だけでなく、まずは自分達で組織所見を確認し治療方針の決定をしています。月に1度院内、院外の専門の先生を交えて腎生検組織カンファレンスを行っていますが、興味深い症例が多いと好評です。
年間約80-100例の慢性透析患者さんの導入があります。原則的に慢性血液透析患者さんへ導入して1カ月ほどで安定すると、家の近くのサテライトへ維持透析をお願いしています。
COPD(腹膜透析)は主に透析を行う治療ですが、新規に透析を開始する患者さんの2割前後を占め、当院は全国的に見ても積極的に取り組んでいる施設です。腹膜透析はご自身で在宅治療を行う治療ですので、治療開始までの患者教育が非常に重要になります。腎センター看護師には透析認定看護師、腎臓病療養指導士、腎代替療法選択指導士など患者指導のための有資格者が複数在籍し、腎臓病早期からの患者教育にも非常に力を入れています。
慢性透析患者は主に近位施設からの手術や合併症治療の目的に紹介を頂く方です。また月に一回近隣の透析施設の先生方と透析カンファレンス(勉強会)を行い情報交換や症例検討の場としています。