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産婦人科

Department of Obstetrics & Gynecology

女性のヘルスケアを一生を通じて
支援する産科婦人科医療を提供します。

子宮内膜症について

このページの内容

子宮内膜症とは?

子宮内膜またはそれに類似した組織が本来あるべき子宮の内腔側になく、それ以外の場所に発生し発育する病気が子宮内膜症です。女性の5~10%の方、特に20~30代での発症が多いと言われています。また不妊症患者さんの15~25%の方が子宮内膜症を合併し不妊の原因となっています。。エストロゲン(女性ホルモン)により子宮以外の場所で増殖し、周囲の組織に入り込み、出血、癒着を繰り返し様々な痛みを起こします。エストロゲンが低下する閉経期には縮小していきます。

子宮内膜症ができやすい部位は子宮以外の骨盤内では仙骨子宮靭帯(39%)、ダグラス窩・骨盤腹膜(35%)、卵巣(チョコレート嚢胞)と言います)は16%、膀胱子宮腹膜(7%)、卵管(0.6%)、結腸・直腸(0.3%)と報告されています。その他部位では外陰部、膣壁、膀胱、尿管、腹壁、肺、大腿部での発生の報告があります。

どのような症状がありますか?

典型的な症状は月経時の下腹部痛いわゆる月経痛、その程度は様々ですが、子宮内膜症の約90%の方が月経痛で悩んでいます。月経痛くらい、我慢しないといけないと思わず、かかりつけの産婦人科医に相談してみてください。そのほか、重症度を増してくると月経時以外の下腹部痛(80%)、腰痛(60%)、排便時痛(58%)、性交時痛(46%)、背部痛、外陰部痛など様々な症状を訴えられます。一方、妊娠を希望される方には不妊の原因となります。不妊症の方の15~25%が内膜症を合併し、内膜症の方の約30%が不妊であるとあれています。

どのような治療方法がありますか?

子宮内膜症の治療方針は患者様の年齢、結婚の有無、職業、挙児希望の有無、自覚症状の強さ、再発リスクなどを考慮し、さらに症状すなわち不妊、疼痛、卵巣チョコレート嚢胞の3点から総合的に判断していきます。方法は経過観察のみ、薬物療法、手術療法、ART(体外受精などの生殖補助医療)を組み合わせて、女性のライフスタイルに合わせて決定していきます。

まず薬物療法での第一選択は鎮痛剤による対症療法を行います。鎮痛剤で効果が不十分な場合や内膜症自体への治療が必要な場合は低容量エストロゲン・プロゲスチン配合薬あるいはプロゲスチンを第一選択薬とし、GnRHアゴニストを第2選択薬とします。また疼痛治療の選択肢として、レボノルゲストレル放出子宮内システムで5年間薬剤を持続的に器具を子宮内に装着する器具です。

薬物療法が無効な場合または不妊症を伴う場合は手術(腹腔鏡)による子宮内膜症病巣の除去(焼灼、摘除、癒着剥離)を行います。あなたにどのような治療法が最適かは主治医とご相談ください。子宮内膜症は再発頻度が高いことあるいは卵巣チョコレート嚢胞は稀に癌化(全年齢では0.7%)することがありますので、これらの薬物療法や手術療法を組み合わせながら、長期にわたり経過観察あるいは治療をすることが必要です。