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ロボット(ダヴィンチ)支援手術

このページの内容

ロボット(ダヴィンチ)支援手術について

ダヴィンチシステムとは?

ダヴィンチシステムとは低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能にした手術装置です。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現することができます。人の手首よりもはるかに大きく曲がり、かつ回転する可動域の広い器具(鉗子)を用います。鉗子は通常の腹腔鏡用の鉗子よりも半分以下のサイズでより精緻な手技を可能にしました(写真1/上段が腹腔鏡用持針器/中段がダヴィンチ用持針器/下段が人差し指)。

ロボット支援手術はロボットが行う手術ではなく、術者である医師が完全にコントロールしながら行う手術です。通常は下腹部に7〜12mmの皮切(傷)からトロッカー孔(写真2)を作成して手術を開始します。術者はサージョンコンソール(写真3)と呼ばれる装置から、患者側にドッキングされた4本のアームすなわちペイシャントカート(写真4)のスコープ1本と各種鉗子3本を操作します。

写真1
写真2
写真3
写真4
ダヴィンチの特徴は?
  1. 体への負担が少ない(低侵襲性)ことです。すなわち、数カ所の小さな切開創から手術を行うため、腹壁の傷が小さく、大きな瘢痕を残しません。傷の痛みが少なく、術後の回復が早い。入院期間が短い(術後4日目に退院可能です)。社会復帰が早い(通常、術後10〜20日目で就労可能です)。通常術中出血量が少ない。腹壁のトロッカー孔がロボットのアームで固定されるため、トロッカー孔の痛みが少ない。
  2. 鮮明な3D(3次元)画像:サージョンコンソールのモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。
  3. 精密な動きを再現できます。医師がペイシャントカートのロボットアームを操作し、装着されているバイポーラー鉗子、モノポーラー鉗子、シーリング機能付きの把持鉗子、持針器などを駆使して手術を行うことができます。ダヴィンチ鉗子はリスト構造を備え、人間の手より大きな可動域と手振れ補正機能を有しています。そのためより精緻な操作が可能となります。

松山赤十字病院におけるロボット支援手術の現況

ロボット支援手術チーム

2019年4月に前立腺癌に対してロボット支援腹 腔鏡下前立腺全摘除術が開始され、術式は腎部分切 除術、膀胱全摘除術、仙骨膣固定術、腎盂形成術、 腎尿管全摘除術が実施されています。導入当初より 診療科医師・麻酔科医師、看護師、臨床工学技士、 事務職員を中心にロボット支援手術ワーキングチー ムを立ち上げ、安心・安全な手術、トラブルを含め た情報共有、効率のよいロボットの運用を行ってき ました。各診療科におきましても、消化器外科、産婦人科、呼吸器外科が相次いでロボット支援手術を導入、現在は19術式に対応しています。2024年は、肝胆膵外科でも肝臓領域を筆頭に、膵臓領域でも順次対応症例を拡大しており、適応術式は増 加の一途です。術式毎に異なる麻酔管理も事前に麻 酔科医と情報共有することで、安全性を担保しています。

手術件数も年々増加傾向にあり、初年度は 71件、その後は106件、155件、168件、298件となって います。昨年度は200件を大きく上回るペースで ロボットが使用されるに至り、2023年11月より Da Vinci Xiを導入、2台体制の運用となりました。 慢性的な患者さんの手術までの待機期間が大幅に短 縮されています。

ロボット(ダヴィンチ)支援手術について

2023年3月にダヴィンチを用いた手術症例が500件を超えたため、
Intuitive Surgical社から記念盾をいただきました。

担当診療科におけるロボット(ダヴィンチ)支援手術について

下記のページにて、各担当診療科におけるロボット支援手術についてご説明しています。ぜひご覧ください。