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小児科

Department of Pediatrics

胎児期から思春期まで一貫して子どもとその家族を医療、保健、心理の面から支援しています。

主な疾患・治療法

このページの内容

「胎児期から思春期まで一貫して子どもとその家族を医療、保健、心理の面から支援を行う。」という成育医療の概念に基づいた医療を目指し、あらゆる分野で新たな試みを模索しています。

成育医療センターの設立について

妊娠、出産から、思春期まで一連の成長を身体的・精神的にケアする成育医療専門のセンターです。

平成16年7月に開設して以来、19周年を迎えました。「胎児期から思春期まで一貫して子どもとその家族を医療、保健、心理の面から支援を行う。」という成育医療の概念に基づいた医療を目指し、日々の診療にあたっています。

免疫アレルギー

食物アレルギーを中心に、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎に対しガイドラインに沿った標準的な治療を行っています。食物負荷試験は入院・外来あわせて年間200例前後行っており、積極的に食べられる食物を増やせるようにしています。重症の気管支喘息に対する生物学的製剤やアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法も導入しています。

内分泌・代謝

低身長(特発性、体質性、SGA性、成長ホルモン分泌不全など)・性腺疾患(思春期早発症、思春期遅発症、ターナー症候群など)・甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病など)・副腎疾患(先天性副腎皮質過形成症、先天性副腎低形成症)・尿崩症といった内分泌疾患や、糖尿病(1型、2型、遺伝性)・糖原病・骨系統疾患(骨形成不全症、軟骨無形成症、くる病など)・家族性高コレステロール血症といった代謝疾患を扱っています。

血液・腫瘍

小児がんのうち、白血病・リンパ腫など血液腫瘍と一部の固形腫瘍の治療を行っています。愛媛県内や中四国の小児がん診療施設と連携し、再発・難治例で造血幹細胞移植が必要なケースは他施設に依頼しています。そのほか貧血、血小板減少性紫斑病、血友病等の凝固異常症など血液疾患の診療も行っています。

NICU・新生児

新生児部門は①正常新生児診療②軽症新生児診療③NICU(新生児集中治療室)・GCU(回復治療室)におけるハイリスク新生児の診療に従事しています。正常新生児診療においては、助産師との協働の元でルチンの診察、検査、異常の早期発見に努めるとともに、個々の状態に合わせての育児サポートを提供しています。軽症新生児診療においてはやはり助産師との共同の元、母子同室を原則にリスクに合わせた医療を提供するとともに、退院後の育児不安等の予防に留意した療養環境の提供に努めています。NICU、GCUにおいてはそれぞれ6床の病床を有し、全ての内科系疾患を対象としています。地域周産母子センターにも指定されており、ハイリスク児に対する高度医療を提供するとともに、適切な療育環境の提供、分離された母子関係に配慮して半個室化、授乳スペースの設置、退院前の母子同室療育等家族中心のNICUを目指しています。診療実績は以下の通りです。

2023年 新生児入院患者数  279名(うち NICU、GCU 91名)

2023年 新生児入院患者数  279名(うち NICU、GCU 91名)

2023年 入院疾患カテゴリー別内訳

低出生体重児など未熟児性に関する入院と呼吸障害に関する入院が4分の3を占めています。

尚3年間で26名の極低出生体重児(内5名が超低出生体重児) が入院しましたが死亡退院はありませんでした。新型コロナ関連の入院も29例ありましたが、陽性例は1例のみでした。

神経

慢性疾患としては、小児期発症のてんかん症候群(難治性てんかんを含む)、発達遅滞、発達障害、脳性麻痺などの患者さんの診察を行っています。また、脊髄性筋萎縮症や筋ジストロフィーなどの神経筋疾患、先天異常症候群や先天性代謝異常症などの患者さんが通院されており、その合併症を含む包括的医療を実施しています。急性疾患としては、急性脳炎・脳症、髄膜炎、熱性けいれんやけいれん重積症、自己免疫性神経疾患(慢性期含む)などを診察しています。

循環器

現在循環器分野は常勤専門医師が不在で、重症例は岡山大学病院、愛媛大学病院や愛媛県立中央病院に速やかに紹介しています。軽症例は一般診療の範疇で、慢性患者は非常勤医師の対応で診療しています。川崎病、軽症先天性心疾患、学校検診異常等が主な診療対象です。外来では年間約600件の心臓超音波検査を施行しています。

腎臓

ネフローゼ症候群、慢性腎炎、ループス腎炎の治療を中心とし、常勤専門医師が不在で非常勤医師の対応で診療しています。学校検尿陽性例の精密検査、夜尿症の治療も行っています。

予防接種

小児科外来とは別に予防接種外来を開設し、主にさまざまな基礎疾患のある小児に積極的に予防接種をしています。すべての定期接種(ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎、四種混合、BCG、MR、水痘、日本脳炎、二種混合、子宮頸がん)及び任意接種(ムンプス、インフルエンザ、A型肝炎、髄膜炎菌、三種混合、ポリオ等)の接種が可能です。また、特例措置(基礎疾患をお持ちの方で定期接種の時期に接種ができなかった場合、時期をすぎても接種が可能となる措置)による接種もご案内しています。
また、海外渡航時あるいは外国人の方等に対して、英文の予防接種証明書を作成しています。

思春期外来

思春期外来では中学生までの発達障害や児童思春期の心と身体に関わる様々な問題を対象に診療を行っています。
―こだわり、眠れない、朝起きれない、拒食、著しい気持ちの落ち込み、注意力がない、著しい落ち着きのなさ、不登校、など―

日常生活や学習に様々な困難を抱えているお子さんに対し、環境要因、本人の元々の発達特性や保護者の特性など複雑に絡み合った要因から、ご本人・ご家族と一緒に問題点を整理し、解決策を相談していきます。治療も環境整理や薬物療法、心理カウンセリングなど多岐にわたります。また、小児カウンセラーと連携し、必要に応じて心理・発達検査を実施し、患児とその家族のカウンセリングや支援を実施しています。

漢方外来

漢方治療を希望するすべての方を対象としています。愁訴は原因不明の頭痛や腹痛、めまい、動悸、冷え性、皮膚疾患、かんしゃくなど、多岐に亘ります。基本は漢方エキス製剤を用いていますが、必要な場合には生薬(煎じ薬)も処方しています。