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産婦人科

Department of Obstetrics & Gynecology

女性のヘルスケアを一生を通じて
支援する産科婦人科医療を提供します。

子宮筋腫について

このページの内容

子宮筋腫とは?

子宮筋層の平滑筋から発生する良性腫瘍で、いわゆる子宮のこぶです。悪性腫瘍ではありません。婦人科腫瘍で最も頻度が高く、中高年女性の20~30%に認められます。卵巣から出るエストロゲン(女性ホルモン)により発育し、閉経後には縮小します。

症状は?

代表的な症状は以下のとおりです。

  1. 過多月経による鉄欠乏性貧血
  2. 不正性器出血
  3. 月経痛
  4. 不妊症、不育症(習慣流産)
  5. 周辺臓器の圧迫症状(膀胱圧迫症状であるトイレが近いすなわち頻尿など)

これらの症状があれば産婦人科を受診してください。子宮筋腫の発生部位は子宮体部が95%(筋層内筋腫60~70%、漿膜下筋腫20~30%、粘膜下筋腫20~30%)、子宮頚部5%と様々な子宮の部位で発生します。子宮のできる場所、筋腫の大きさ、個数によって、上記の症状が異なることがあります。一般的に粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫の順に症状が出やすいと言われています。漿膜下筋腫は症状が乏しいため、大きくなりやすい。治療には様々な要因を考慮する必要がありますので、専門医の診断が必要です。

診断方法は?

婦人科的診察(内診)と超音波検査(経膣あるいは経腹)で診断します。大きな筋腫や手術を検討する場合はMRI検査を行うことがあります。大きな筋腫は子宮肉腫という悪性腫瘍との区別が難しいことがあります。(大きな筋腫の約0.5%が子宮肉腫と言われています。)MRI検査結果、年齢、大きくなるスピードなどから総合的に判断します。

治療方法は?

子宮筋腫の治療に対する基本的な考え方は以下の通りです。

  • 子宮筋腫があること自体は病気ではありません。
  • 従って、全ての子宮筋腫に治療が必要とは限りません。
  • 子宮筋腫によって何らかの症状が認められた時は治療が必要となります。

治療方法は2種類あります。手術療法と薬物療法です。

手術療法には子宮全摘術(子宮を全部摘出してしまう方法)と子宮筋腫核出術(子宮自体は残して、筋腫のみを摘出してしまう方法)があります。後者は将来的に子供さんが欲しい方、あるいは子宮を残す希望が強い方に行います。

手術で子宮全摘する場合は膣式手術(膣からのアプローチ)、腹腔鏡下子宮全摘、ロボット支援下子宮全摘術、さらに開腹による腹式子宮全摘術があります。子宮筋腫のみを切除する方法は子宮鏡手術(膣から子宮鏡を挿入して筋腫を切除する方法)、腹腔鏡下筋腫核出術、開腹による筋腫核出術があります。どの手術方法があなたに最適な方法かは主治医の先生と良くご相談ください。また薬物療法では残念ながら筋腫は治りません。対症療法として症状を一時的に軽減したり、手術前に縮小させたり、閉経前に閉経へ誘導する方法しかありません。効果は一時的ですので、薬物を中止すると元の大きさに戻ってしまいます。複数の薬物療法がありますが、投与方法、効果、副作用等が異なりますので、こちらも主治医とよくご相談ください。