これまで小腸は、胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡的なアプローチが困難であり、暗黒の臓器と呼ばれていました。小腸出血が疑われた症例では造影CTや小腸造影検査などが行われていましたが、どれも十分な診断能を有していませんでした。しかし平成13年に開発されたカプセル内視鏡の登場によって大きく変わりました。
カプセル内視鏡とは、胃カメラや大腸カメラを行っても出血の原因が分からない原因不明の消化管出血の場合に検査を行います。約2cm程度のカプセル内にレンズや電池が内臓された器具で、これを内服すると腸管内を移動する間に自動で一定時間ごとに撮影が行われます。この画像を受信して解析します。
検査前日は21時以降より禁食。水分は摂取可です。検査当日の朝、前処置の薬(ガスコン、ガスモチン)を内服します。その後外来にて腹部に電極を装着し、医師の指導の下でカプセルを内服します。
カプセルを内服し1時間後、医師がカプセルの位置が小腸に到達している事を確認しムーベン(下剤)500mlを内服します。2時間後から水分を、4時間後から食事をとる事が可能です。
約8時間後、医師がカプセルの位置が大腸へ移行している事を確認し電極を外して検査終了となります。