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呼吸器外科
(呼吸器センター)

Department of Chest Surgery

呼吸器内科とも連携し、肺や気管・縦隔・胸膜などの呼吸器疾患に対し外科的治療を行っています。

呼吸器外科

地域の先生がたへ

呼吸器外科では肺、縦隔、胸壁、横隔膜などに発生する疾患を対象として専門的な手術を年間約200例行っています。最も多い肺癌の手術では、比較的早期であれば創の小さい完全胸腔鏡下手術により80歳をこえる高齢者でも術後1週間以内で退院されています。私が赴任してからは80代後半から90歳を越えた方も増えてきました。令和3年度にはロボット支援下手術も開始しました。縦隔リンパ節転移を伴う局所進行肺癌(IIIA期)では、化学放射線療法+免疫療法(Durvalumab)が標準治療ですが、切除可能な場合は化学放射線療法後の手術といった集学的治療を九州がんセンター在任中より行っており、完治できる症例を数多く経験してきました。

当科は呼吸器外科ですが、私のこれまでの経験を活かし、ステージに関係なく、ご紹介いただいた切除不能肺癌患者も直接診療させていただいております。当院は循環器や麻酔科を始め、ハイリスクの患者さんにも対応できる体制がありますので、状態の悪い患者さんでもご相談いただければ幸いです。良性疾患で最も多い気胸は年間20-30例で、特にCOPDや間質性肺炎合併のハイリスク気胸症例には呼吸器センターとして内科・外科で対応し、適切な手術の適応とタイミングを判断しています。膿胸の中でも急性膿胸に対しては、積極的に早期外科的介入の適応を呼吸器センターカンファレンスで決定し、早期退院を目指しています。また、原因不明の胸水に対する胸腔鏡下胸膜生検も積極的に行っています。

肺癌の地域連携パスは、患者さんにとっても、病診連携の意味でも非常に重要と考えています。私自身福岡県の肺癌地域連携パスの責任者をしていましたので、その時の患者さんへのアンケート結果より、連携パスは病気や検査スケジュールが把握しやすく、特に二人主治医制(拠点病院とかかりつけ医)がとても安心感があり、高く評価されていました。そこで令和2年7月に新しい肺癌パス(術後経過観察)を厚生支局に届け、年間で約80人の患者さんに使っていただいています。現在の高齢化社会では、かかりつけ医の先生とともに患者さんを診療・サポートすることが何より大事と考えています。呼吸器センターは、地域の先生方と共に、地域医療を支えるべく精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。