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中央放射線室

Department of Central Radiology

画像診断装置や放射線治療装置を使い、良質の画像情報の提供と治療環境の整備で診療支援を行っています。

中央放射線室

<地下1階> 18エリア:放射線治療部門

このページの内容

放射線治療部門について

地下1階

放射線治療は手術、抗がん剤とともにがんの治療の中で重要な役割を果たしています。

リニアック(外照射)

放射線が、がん治療の手段として使われはじめてから100年以上がたちますが、その間に放射線治療機器をはじめ、放射線生物学やコンピューターの発達に伴い、放射線治療はめざましい進歩をとげてきました。

当院では、高精度の放射線照射装置を導入しています。米国VARIAN社のTrueBeamは次世代の放射線治療に対応すべく開発された医療用直線加速器です。定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度治療を安全に再現性高く短時間に行うことが可能となりました。これにより、がん組織に十分な放射線照射を行いつつ、周囲の正常組織への負担をできる限り軽減することが可能となってきています。こうした機器と治療技術の進歩が、がんを治し、しかも副作用の少ない放射線治療を可能にしています。

具体的には以下のような手順で放射線治療は行われます。

1 治療の前準備

治療内容の説明ののち、CT装置を使って治療部位を決めるための撮像を行います。実際に治療を行う体位で行います。基本的に造影剤の使用はありません。また毎回の治療の位置の狂いが無いように、体の複数の箇所にマジックで印を書きます。入浴などで消えないように書いた印の上から薄いシールを貼ります。
治療開始時にはこの印をもとに照射野の位置合わせを行います。なお、シールは剥がれにくいタイプのものを使っていますが、シールの剥がれや、マーク消えには十分に気をつけて下さい。

2 治療計画

上述のCT撮像の結果をもとに、放射線をどの部位に、どの方向から、どのくらいの量を何回に分けて照射するのかという治療計画をたてます。がんに十分な放射線量があたり、がんの周囲の正常組織にあまりあたらないように放射線照射の方向を検討します。一方向からの照射もあれば、いくつもの方向から照射する場合もあります。また、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)など、どのような照射方法が適当かを、腫瘍部の線量分布、周囲正常組織の照射線量、治療の目的、全身状態などを考慮して決定します。

3 治療開始

初回治療時には新たなマーク付けや、確認作業のため、30分程度を要します。初回治療終了後に今後の治療日程を記したカレンダーをお渡ししています。このカレンダーにそって毎日の治療を行っています。

4 二回目以降の治療

毎日の治療は、体表面に描かれたマークをもとに放射線治療技師により行われます。治療に要する時間は、治療室に入ってから出てくるまで5~10分程度で、実際に放射線が照射されている時間は数十秒から数分程度です。

通常、月から金曜日までの週5日が治療日となり、土曜日、日曜日、祝日が休みとなります。週5日の治療で何週かにわたって治療を行います。どのくらいの回数を治療するかは、治療の目的、全身状態などにより異なります。1回や1週(数回)で終わることもあれば、2ヶ月もかかることもあります。定期的な診察を通して治療効果や副作用を確かめながら治療がすすめられてゆきます。

5 外来治療について

疾患にもよりますが、一連の治療を通院の形で行うことがほぼ主流となっています。治療予定時刻の調整によって、多くの方が仕事を続けながら、治療を受けておられます。入院が望ましいものとしては、手術直後の場合や、抗がん剤治療をあわせて行う場合などがあります。 以上が当院の外部照射の放射線治療です。

小線源治療・標的アイソトープ治療

他にも内部照射も行っています。内部照射の放射線治療は、体の中に放射線を出す物質を入れて治療を行います。前立腺に、5ミリほどの小さな放射線を出す粒を埋め込む密封小線源治療、また、患部に集積する放射線を出すお薬を注射して治療を行う、放射性同位元素内用療法(標的アイソトープ治療)を行っています。