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Tel : 089-924-1111

整形外科

Department of Ophthalmology

専門外来として股関節外来、脊椎外来、手の外科外来、肩関節外来、膝関節外来を行っています。

主な疾患・治療法

このページの内容

手外科・肘関節外科

当院手・肘の外科の外来は、梶原(水・金曜日)と德本(月、金曜日)が担当しております。
2023年の1年間に約800例の手・肘の手術を行っております。

手・肘の外科は正確な手術手技だけでなく、外固定の良し悪しや術後の後療法、患者さんへの指導と支援が予後を大きく左右します。また、保存治療においても神経ブロックや早期運動が可能な外固定方法を用い、良好かつ早期の機能回復を目指しています。引き続きの修練と患者さんの状態に応じてきめ細かく対応することで手・肘疾患の治療成績向上に努めて参りたいと思っております。

整形外科領域の中でも手・肘外科の守備範囲は広く、腱・神経・皮膚などの軟部組織損傷も治療可能です。対象疾患は多岐にわたりますが概ね以下の通りです。

  • 肘関節のスポーツ外傷(離断性骨軟骨炎、靭帯損傷など)
  • 肘関節~手指の骨折および偽関節、靭帯損傷、腱損傷、末梢神経損傷
  • 手根管症候群、肘部管症候群、変形性肘関節症、手関節症、CM関節症などの慢性疾患
  • 軟部および複合組織欠損に対する皮弁やマイクロサージャリー(切断指再接着など)
  • デュプイトレン拘縮、外傷性関節拘縮
  • 腱鞘炎(ばね指、ドゥ・ケルバン病など)
  • 感染症(骨髄炎・関節炎・腱鞘滑膜炎など)
  • 末梢神経障害

なお、急ぎの症例は外来日以外でも対応しますので遠慮なくご相談ください。

肩関節外科

肩関節外科は大前が担当しています。外来は月・水曜日、手術は火・木・金曜日に行っています。

広島大学整形外科、望月由先生に肩関節外科の診療と手術を教わりました。大学院時と1年半の米国メイヨークリニック留学中は腱板再生や脱臼修復に関わる研究を行いました。

2007年に当院に赴任してから約3,000件を超える肩関節手術を行ってきました。2014年には日本肩関節学会とヨーロッパ肩肘学会の交換留学生に選んでいただき、ヨーロッパの8病院で勉強してきました。

関節鏡を用いた腱板断裂手術や大腿筋膜移植術、腱板断裂性関節症や腱板広範囲断裂、上腕骨近位端粉砕骨折に対するリバース型人工肩関節全置換術、反復性脱臼に対する鏡視下バンカート修復術や直視下烏口突起移行術、肩鎖関節脱臼に対する直視下烏口肩峰靭帯移行術、上腕骨近位端骨折に対する前方展開を用いたプレート固定術、鎖骨骨折や上腕骨骨幹部骨折に対するプレート固定術を得意としています。

各疾患や外傷における病態や自然経過、治療方法について時間をかけて説明し、納得できる治療方法を選択できるように心掛けています。国内外の肩関節外科医との交流、学会での発表や論文作成を継続して行い、きれいな手術を行う努力を続けていきます。

愛媛県で最初の日本肩関節学会代議員として、肩関節の治療を必要とする地域の患者さんのお役に立ちたいと思います。

股関節外科

当科で診療している股関節疾患は寛骨臼形成不全、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、股関節唇損傷などで多くは成人の股関節疾患です。

股関節外来は大島(月・木曜日)が担当しています。痛みの原因となる股関節の病気について説明し、その時の病期、病型、病状に合わせて関節鏡視下手術、骨切り術、人工関節置換術などの治療方針を立て治療を行います。

2023年は203件の人工股関節置換術(再置換術を含む)を行っています。人工股関節置換術では術前に自己血を採取しておいて術中に返血することで輸血を行わず手術を行っています。また、歩行機能の早期回復、脱臼リスクを低減のため前方系アプローチを用いたMIS(minimally invasive surgery: 低侵襲手術)を行っています。この方法により正座やしゃがみ込みなど従来は人工股関節置換術の術後に禁止されていた動作制限をせずに不自由のない生活を送れるようになっています。

術後は早期離床、早期リハビリを心かけており手術翌日から車いす移動、立位歩行訓練を開始し、術後2週目の検査結果で問題がなければ自宅退院できます。術前から歩行が困難な方や、長期リハビリを希望する方には転院先を紹介しています。

また、股関節鏡視下手術は2023年には23件行っており大腿骨寛骨臼インピンジメント、股関節唇損傷を中心とした疾患に対して行っています。これらの疾患は主に股関節屈曲時に痛みを感じます。股関節唇は幅1cmほどの小さな組織ですが股関節を安定させる吸盤の役割をしている重要なもので、症状を放置することで周囲の関節軟骨が剥がれていくため、痛みが続く方には手術を勧めています。手術は1cm程の切開を2~3か所に加えて関節唇の縫合、関節唇に干渉する骨切除などを行います。入院期間は約2週間です。関節鏡視下手術は関節内だけでなく関節外病変を含めて多くの疾患の治療が可能ですのでお気軽にご相談ください。

膝関節外科

膝関節外来は江口(火・水曜日)須賀(火・金曜日)が担当しております。入院はほとんどが手術的治療を目的とした患者さんです。2023年の手術件数は年間約239例で、人工膝関節置換術135例、骨切り術13例、前十字靱帯再建術22例、半月板などの関節鏡視下手術33例などです。

変形性膝関節症などの慢性疾患から、半月板損傷や靱帯損傷などのスポーツ外傷、膝関節周囲骨折などの急性外傷等、すべての膝関節疾患の診療を行っています。
また、軟骨損傷を来した患者さんに対して、軟骨細胞を体外で培養して作成した自家培養軟骨を移植する自家培養軟骨細胞移植術(ジャック®)の施設認定を愛媛県で一番に取得し、いつでも手術可能になっています。

膝の痛みや不安定感等でお困りの患者さんは当科へお気軽にご相談ください。

脊椎外科

脊椎外来は、住吉(火・木曜日)が担当しております。入院はほぼ全例が手術的治療を目的とした患者さんです。

以前からの傾向としては、高齢者の頚椎症性脊髄症による四肢麻痺や、腰部脊柱管狭窄症による歩行障害の患者さんに対する手術例が増加しており、2023年度は96例(65%)が70歳以上の患者さんでした。手術により患者さんのQOL(生活の質)の向上が得られるのであれば、高齢者といえども麻酔科や各臨床科と連携をとり、可能な限り手術を行っており、今後もこの傾向は続くものと考えております。

インスツルメントを用いた脊椎固定手術も外傷や腫瘍など症例を選んで行っておりますが、変性疾患に対しては、その適応については厳密であるべきと考えており、極力使用せず、低侵襲の除圧術を主に行っています。

また、手術を行う際には手術用顕微鏡を積極的に用い、頚椎・胸椎・腰椎の除圧術では手術用顕微鏡下に行い、術中脊髄モニタリングも用いてより安全で確実な手術を心掛けています。脊椎疾患では保存療法の占める割合も大きいのですが、外来・入院とも当科では充分に行うことが出来ませんので地域の先生方のご協力をお願い申し上げます。