採用情報
初期臨床研修医

救急医療・急性期医療・一般医療の3領域を、
確実に学べるのが何よりの魅力。
自分の進路を多様な経験の中で確認できます。

Z06_2068
呼吸器内科(呼吸器センター)

1.診療科紹介

当科は昭和63年に呼吸器センター設立して以来、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線科・病理診断科による集学的診療体制で実地臨床に励んでいる。医療の複雑化、多様化に伴い呼吸器内科医のニーズはますます高まっている。

肺癌や間質性肺炎など専門性の高い疾患および呼吸管理を要する急性期医療、Common diseaseとしての呼吸器疾患(肺炎や胸膜炎など呼吸器感染症、気管支喘息、COPD等)についても豊富な症例を経験できる。気管支鏡の実技(超音波ガイド生検、肺胞洗浄、仮想気管支鏡などを含む)、肺機能検査・呼気NO測定、6分間歩行試験などの呼吸器疾患の診断に必要な検査を習得できる。一般内科と共診する機会も多く、各科のエキスパートとともに内科学全般を学ぶことができる。救急医療体制も充実しており、呼吸器疾患の救急初期対応から専門性の高い処置(胸腔ドレナージ、挿管など)も経験できる。

また当科は地域医療を牽引する基幹病院としての役割を果たしており、近隣の医療施設や開業医との定期勉強会に参加するなど地域連携の重要性を体験できる。なお現在当科は日本呼吸器学会・日本呼吸器内視鏡学会より施設認定されている。

2.指導スタッフ

指導責任者 呼吸器専門医・指導医 兼松 貴則
指導医 呼吸器専門医・気管支鏡専門医・ICD・感染症専門医 牧野 英記
呼吸器専門医 梶原 浩太郎、甲田拓之
指導協力医 呼吸器外科 竹之山 光広、桂 正和、吉田 月久(以上3名は呼吸器外科)

3.一般目標(GIO)

医療人・社会人としてのあるべき姿勢・態度を身に付ける。プライマリケアを提供するための基本的臨床能力(問診・診察・検査・処置・治療)を習得する。その上で呼吸器内科分野の診療を独力で行い得る専門性の高い知識・技術を習得する。

4.行動目標(SBO)

礼儀正しい態度・挨拶、時間通りの行動、メディカルスタッフとの協調性、円滑でタイムリーな指示出し・指示受け、分かりやすいプレゼンテーションができる。患者及び家族への病女王説明に立ち会うことができる。医の倫理性・社会性・保険診療・医療安全の観点まで思案を巡らせることができる。

A.特に呼吸器科で必要な身体診察

  1. 迅速にバイタルサインの把握・体系的診察ができ記載できる
  2. 呼吸器特有の呼吸音を聴診し記載(表現)できる
  3. 胸部の打診で胸郭内の異常の有無を判別できる

B.検査とその意義の把握

  1. 胸部レントゲンの読影ができる
  2. 胸部CTの読影ができる
  3. 血液ガス検査の実技、検査値の解釈ができる
  4. 呼吸機能検査の検査値を解釈し、異常値から病状を評価できる
  5. 喀痰検査、血液培養、その他細菌学的検査のタイムリーな指示出し、結果の解釈ができる
  6. 気管支ファイバー検査をオーダーし、検査補助ができる

C.手技・人工呼吸管理など

  1. 人工呼吸管理(侵襲的・非侵襲的)について適応を判断し、装着の介助ができる、条件設定ができる
  2. ACLS(気道確保・気管内挿管・人工呼吸・心マッサージ・除細動など)の手技を理解できる
  3. 胸腔穿刺、胸腔ドレーン留置の手技を理解し介助できる
  4. 簡単な呼吸理学療法(スクィージング・リラクゼーションなど)を実施できる
  5. 中心静脈ルート確保の手技を理解し介助ができる
  6. 酸素投与の適応を理解し適切な投与量を設定し、デバイスを選択できる

D.経験すべき治療薬(病態とエビデンスに基づく投与量・投与経路の選択・副作用の理解・併用禁忌)

  1. 副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤を使用できる
  2. 抗菌薬を使用できる
  3. 気管支拡張薬、吸入ステロイド薬等ぜんそく治療薬を処方できる
  4. 抗癌剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬等を使用できる
  5. 集中治療で使用する薬剤を使用できる
  6. 緩和医療で使用する薬剤を使用できる
  7. 補液、水分・カロリー・電解質管理ができる

E.医療記録

  1. 診療録(退院時要約を含む)を正確に遅滞なく完成できる
  2. 指示書(入院時指示・内服薬指示・異常時指示)・処方箋・診断書の発行
  3. 紹介状(診療情報提供書)を礼を失することなく作成し、十分な情報を速やかに伝える
  4. CPCレポートを作成し病理医とディスカッションできる
  5. 診療から得られる疑問点・問題点から症例を考察し学会・研究会で発表する

F.呼吸器内科で経験すべき病態・疾患

  1. ガイドラインを参考に、肺炎の病型・重症度を分類できる、抗菌薬の適正使用、喀痰の評価ができる、抗酸菌塗抹陽性例への対応ができる
  2. 肺癌の病理診断・病期診断ができる、治療法を選択できる、副作用対策ができる
  3. 気管支喘息の重症度を評価し長期管理薬を処方できる、発作時の対応ができる
  4. COPDの診断ができる、増悪時にABCアプローチができる、CO2ナルコーシスに対応できる
  5. 間質性肺炎の鑑別診断をアルゴリズムに従い実施できる、急性増悪時の対応ができる
  6. 喀血・胸痛・呼吸不全・ショック・敗血症などに迅速に対応できる
  7. 肺がん患者等に対して、医療・ケアチームの一員と自覚し、アドバンス・ケア・プランニングを含む意思決定支援の場に参加する

5.方略(LS)

  1. 研修医には一人につき一人ずつ指導医が担当し、ベッドサイドでの診察、検査データ・画像の所見をカルテに記載し指導医の確認・評価を受ける。
  2. 午前8時よりミーティングを行う、担当患者につき病歴・画像/データのショートプレゼンテーションを行いスキルを身に着ける。当日の行動を把握し、重要な判断を呼吸器内科全体で共有・検討する。
  3. 月曜・木曜の夕に、時間をかけ検討すべき診断・治療方針についてカンファレンスを行う。
  4. 水曜に医師・看護師・薬剤師・理学療法士・栄養士・事務を含む多職種カンファレンスを行い、体力・栄養・認知・社会的問題点について多様な視点から対応・ケアを検討する。
  5. 抄読会は毎週火曜、主に担当患者の疾患・病状に関連した原著論文を紹介する。
  6. 総回診(金曜午前)では特に聴診の異常所見を共有する。
  7. その他気管支鏡症例検討会、CPRC(病理医・放射線科医・呼吸器外科医を交え画像と病理を多面的に検討)、CPC(病理解剖症例検討)などを行っている。

6.評価

指導医より行動目標・経験目標の各項目について評価が行われる(呼吸器内科独自にアンケートを行いフィードバックしている)。

ローテート終了時、自己評価および指導医評価を参考に総合評価が行われる。