日本赤十字社 松山赤十字病院

  • 文字サイズ

基本情報へ

診療情報

肝臓

肝疾患領域ではB型肝炎に対する抗ウイルス治療(エンテカビル、テノホビルなど)やC型肝炎に対する内服治療(DAAs;Direct acting antivirals)によりウイルスの除去、肝炎の進展予防を行っています。C型肝炎のDAAs治療は次々と登場し急速に進歩していますが、当科でも積極的に導入しており県下有数の症例数となっています。ウイルスの遺伝子型、変異の種類、過去の治療歴、他の疾患の合併やそれに対する治療薬の内服などによって、最適な治療法が異なりますので、ひとりひとりの患者さんに最も適した治療を受けていただくようにしています。
肝癌症例に対しては腫瘍血管塞栓術(TACE)とラジオ波焼灼術(RFA)を中心とした治療を行い、特にRFAは常に全国トップレベルの症例数を維持しています。2013年からはOlympus社製のバイポーラRFAシステムである「Celon POWER」や、新たなマイクロウェーブ焼灼システム「EMPRINT™ Ablation  System」を使用し、また、薬剤溶出性ビーズ(drug eluting bead;DEB)を用いたTACEも2014年から開始しました。局所療法不能となった場合も、ソラフェニブやレンバチニブなどの分子標的治療薬の導入を行っています。また安全面にも十分配慮しており、合併症の頻度は低いレベルを保って、更なる治療成績の向上を目指しています。また、外科・放射線科とのカンファレンスを週1回行い、適切に治療方針を決定しています。
ウイルス性肝炎や脂肪肝炎の病状が進行すると、脂肪の沈着などに伴い、自覚症状なく徐々に肝臓が硬く肝機能が低下した肝硬変になり、肝癌が発生する場合があります。従来肝臓の病状の評価は、肝臓に針をさして組織を採取する肝生検という方法で行われてきました。当院では2016年度から、体を傷つけずに肝臓の硬さや脂肪量を測定できる『フィブロスキャン』を導入しました。この機械を用いて肝臓の硬さや脂肪の程度をみることで、肝臓の病気の進行度がわかります。『フィブロスキャン』は外来にて5分程度で検査が可能であり、従来肝生検ができなかった患者さんでも安全に行うことができます。

▲このページのトップへ

食道・胃静脈瘤

食道静脈瘤に対する治療は内視鏡的硬化療法(EIS)や内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を症例に応じて選択し施行しています(図4)。また、孤立性胃静脈瘤を含む異所性静脈瘤の治療も内視鏡治療やB-RTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 )で治療を行っています。それらの治療で緊急止血や予防、待機例での治療が可能となっており、現在は苦痛を伴うSengstaken Blakemore tubeを使用する症例はほとんどありません。

▲このページのトップへ

胆・膵疾患

胆膵疾患に対しては、CT、MRIに加えて超音波内視鏡検査(EUS)を積極的に行い、膵腫瘍や慢性膵炎、胆道系腫瘍の早期発見や診断に効果をあげています。また内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)による診断(腔内超音波、膵管ブラッシング、膵液採取、胆管生検など)、治療(乳頭切開術、結石破砕術、胆管及び膵管内ドレナージ、胆管鏡など)を行っています。さらに超音波内視鏡を用いた穿刺吸引細胞診や膵のう胞ドレナージ術、胆管ドレナージ術を積極的に行っており、特に超音波内視鏡下胆管ドレナージ(EUS-BD)(図7)は、ERCPでは内瘻化不可能であった症例に対しても対応可能となっています。また内視鏡治療が困難な症例では、経皮的治療(胆管ドレナージ術、胆嚢穿刺吸引術、胆嚢ドレナージ術、胆管ステント、胆管鏡など)を行っています。巨大な総胆管結石に対しても、胆管鏡を用いた砕石術(図5)や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)等を併用し出来得る限り内科的に治療を行っています。ESWLは膵石にも有効な治療ですが施行可能施設が少ないため当院に症例が集まっています。最近では、経皮処置のリスクが高い急性胆嚢炎症例高齢者などの手術困難な慢性胆嚢炎症例の治療として経乳頭的胆嚢ドレナージ術(図6)も行っておりますが、当科では専用チューブを開発して治療に役立てています。腫瘍疾患に関しては外科と綿密に連携をとりながら手術を含めた最適な治療を提供しています。手術不能例に対しても化学療法のチームと協力して患者さんの全身状態や病態に合わせた治療法を提供しています。

▲このページのトップへ

内視鏡治療件数

  2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年
EUS
(FNAを
含む)
383 225
196
192
155
174
190
150
EIS,EVL
59 43
48
53
58
111
57
80
ERCP
442 431
283
344
375
410
371
406

また、当センターでは積極的にクリニカルパスを導入することで診療レベルの均質化や入院期間の短縮にも努めています。

▲このページのトップへ

学術関係

(1)論文
氏名(筆頭者) 題名 掲載雑誌名
Joko K
Relation of Reduction of Antibodies against Hepatitis B Virus to Hepatocellular Carcinoma Recurrence in the Patients with Resolved Hepatitis B Virus Infection Following Direct-acting Antiviral Therapy for Hepatitis C Virus Infection
Euroasian Journal of Hepato-Gastroenterology
9:78-83,2019
Mashiba T
Real-world efficacy of elbasvir and grazoprevir for hepatitis C virus (genotype 1): A nationwide, multicenter study by the Japanese Red Cross Hospital Liver Study Group
Hepatol Res
49:1114-1120,2019
Joko K
Acute liver failure and intractable gastric ulcer in plasma Prekallikrein deficiency
Mastuyama R.C.Hosp.J.Med.
44:21-27,2019
(2)学会発表
氏名
(発表者)
演題 学会名
(開催地)
発表月日
上甲 康二
ゲノタイプ1型に対するGRZ+EBVの治療効果 全国成績
AMED研究事業 感染症実用化研究事業 肝炎等克服実用化研究事業 C型肝炎インターフェロンフリー治療の実態と不成功例に対する全国規模の診療指針に関する研究 泉班平成30年度第2回班会議(東京)
2019
/1
/11
Mashiba T
Real-world efficacy of elvasvir and grazoprevir for hepatitis C virus (genotype 1): A nationwide, multicenter study by the Japanese Red Cross Hospital Liver Study Group
The European Association for the Study of the Liver(EASL)2019(ウィーン)
2019
/4
/12
越智 裕紀
80歳以上の高齢者のミラノ基準内での肝細胞癌治療の予後因子の検討
第105回日本消化器病学会総会(石川)
2019
/5
/9
眞柴 寿枝
C型慢性肝疾患に対するGlecaprevir/Pibrentasvir療法のDAA既治療例を含む治療成績
第55回日本肝臓学会総会(東京)
2019
/5
/31
越智 裕紀
4型コラーゲンのDAA前後での線維化測定の有用性
第55回日本肝臓学会総会(東京)
2019
/5
/31
越智 裕紀
肝予備能不良症例に対するRFA治療の予後因子の検討
第55回日本肝癌研究会(東京)
2019
/7
/4
Joko K
Evaluation of Platelet Function in Patients Receiving Lusutrombopag for the Treatment of Thrombocytopenia Due to Chronic Liver Disease:An Open-Label Phase I Study
International Society on Thrombosis and Haemostasis(ISTH)2019(メルボルン)
2019
/7
/8
上甲 康二
肝癌治療後のC型肝炎に対するDAA治療 全国集計
全国赤十字病院B型肝炎・C型肝炎・肝硬変・肝癌共同研究推進連絡会(東京)
2019
/7
/12
畔元 信明
当院における初回治療で化学療法を施行した高齢者浸潤性膵管癌の臨床的特徴
第50回日本膵臓学会大会(東京)
2019
/7
/12
畔元 信明
Solid pseudopapillary neoplasm(SPN)と鑑別が困難であった膵嚢胞性病変の1切除術
第71回日本消化器画像診断研究会(東京)
2019
/9
/21
横田 智行
肝門部領域胆管の胆管内乳頭上腫瘍(IPNB)術後に遠位胆管にIPNBを再発した一例
第55回日本胆道学会学術集会(名古屋)
2019
/10
/4
丹下 正章
当院におけるHBV、HCVスクリーニング検査の陽性者拾い上げに対する試み
第112回日本消化器病学会四国支部例会(高知)
2019
/11
/3
久門 志敬
診断に苦慮したMEN1型の1例
第123回日本消化器内視鏡学会四国支部例会(高知)
2019
/11
/3
Joko K
Comparison Of Survival Rates Between Direct-Acting Antiviral(DAA)Therapy And Interferon(IFN)Therapy After Curative Treatment Of Hepatitis C Virus (HCV)-Related Hepatocellular Carcinoma(HCC)
American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)2019(Boston)
2019
/11
/8
Ochi H
Analysis Of Prognostic Factors Of Hepatocellular Carcinoma Treatment Within Milan Criteria For Super-Elderly Patients
American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)2019(Boston)
2019
/11
/8
越智 裕紀
HCV関連肝細胞癌治療後のDAAの意義
第23回日本肝臓学会大会(JDDW2019KOBE)(神戸)
2019
/11
/21
横田 智行
急性胆嚢炎に対する内視鏡的胆嚢ドレナージの有用性
第61回消化器病学会大会(JDDW2019KOBE)(神戸)
2019
/11
/22
畔元 信明
当院における切除可能高齢者浸潤性膵肝癌に対する治療の現状
第61回消化器病学会大会(JDDW2019KOBE)(神戸)
2019
/11
/22
眞柴 寿枝
肝癌治療後C型肝炎に対する抗ウイルス療法後の肝癌再発と生存率
第61回消化器病学会大会(JDDW2019KOBE)(神戸)
2019
/11
/23
眞柴 寿枝
当院における非代償性肝硬変症例に対するSofosbuvir/Velpatasvir療法の早期治療効果
第43回日本肝臓学会西部会(下関)
2019
/12
/12
越智 裕紀
Intermediate stageでの再発肝細胞癌のRFA治療の有効性の検討
第43回日本肝臓学会西部会(下関)
2019
/12
/12
(3)講演
氏名
(発表者)
題名 講演名
(開催地)
発表月日
越智 裕紀
肝細胞癌治療後のDAAの意義
伊予肝疾患フォーラム(松山)
2019
/2
/22
上甲 康二
DAA・多剤TKI時代のラジオ波治療
第4回東京肝炎・肝癌局所療法研究会(東京)
2019
/3
/16
上甲 康二
アンメットニーズに応えるC型肝炎治療~最終局面を迎え、新たな展開へ~
Liver Sience Forum in Tokushima(徳島)
2019
/4
/9
眞柴 寿枝
肝疾患と薬物療法について
一般社団法人松山薬剤師会 平成31年度生涯教育講座第一回(松山)
2019
/4
/9
上甲 康二
肝性浮腫の治療戦略
肝疾患Web Seminar(松山)
2019
/6
/4
眞柴 寿枝
実臨床データを踏まえたDAA治療とSVR後発癌
6月度香川県肝臓病懇話会(高松)
2019
/6
/7
上甲 康二
肝炎・肝癌治療の実臨床~治療経験からの考察~
肝炎インターネット講演会(東京【全国】)
2019
/6
/17
横田 智行
膵疾患診療の現状
第7回今治周桑消化器・代謝講演会(今治)
2019
/6
/17
上甲 康二
リアルワールドでのGlecaprevir/Pibrentasvirの治療成績~全国赤十字肝疾患ネットワークでの検討~
LIVER DISEASE MEETING(高知)
2019
/9
/27
上甲 康二
肝性浮腫の治療戦略~腹水発生機序の観点より~
肝疾患懇話会(今治)
2019
/10
/10
上甲 康二
ランチョンセミナー5:C型肝炎撲滅に向けた医療スタッフの役割
第55回日本赤十字社医学会総会(広島)
2019
/10
/17
越智 裕紀
当院でのナルサス/ナルベインの使用経験
第81回松山肝腫瘍研究会(松山)
2019
/10
/26
上甲 康二
肝臓専門医に聞く~C型肝炎治療最前線~
C型肝炎啓発座談会(松山)
2019
/10
/31
横田 智行
膵疾患について
第23回チャリティ講演会(松山)
2019
/11
/10
上甲 康二
C型肝炎、肝癌治療の実際、全国日赤データおよび当院症例からの考案
PRAHT講演会(神戸)
2019
/11
/21
上甲 康二
C型肝炎撲滅に向けて-院内連携の取り組み-
e-seminar(東京【全国】)
2019
/11
/27
上甲 康二
いまさら聞けない?ウイルス性肝炎治療-肝がんから、患者様を守るために-
G-STATION Lecture(松山【全国】)
2019
/12
/18

▲このページのトップへ

松山赤十字病院携帯サイト

松山赤十字病院携帯サイト

  • アクセス
  • 外来診療のご案内
  • 救急のご案内
  • お見舞いのご案内