日本赤十字社 松山赤十字病院

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成育医療センター周産期部門の設立について

「成育医療」とは、これまでの診療科、年齢の枠を超え、妊娠、胎児から出生、小児、思春期を経て成人への発達というサイクルに関わる医療を、総合的かつ継続的に診ていく新しい概念の医療です。松山赤十字病院では産婦人科、小児科病棟を改修、改編、統合した成育医療センターを設置し、平成16年7月1日開設しました。
その目的は妊娠中から思春期まで一貫して子供とその家族を医療、保健、心理面から支援(母親父親支援、育児支援、虐待予防、家族機能形成支援、軽度障害児支援等を含む)を行うことです
現在までの23病棟を産婦人科だけでなく、成育医療センター周産期部門として機能させるべく、以下のようなハード面、ソフト面の改編を行いました。

ハード面においては、LDR室、産褥個室、 NICU室を新設・増設しました。LDRとは、labor(陣痛)、delivery(分娩)、recovery(回復)の略号で、今まで妊婦さんに陣痛室~分娩室~産褥室の移動を強いていたお産の状況を一つの部屋の落ち着いた環境で過ごしていただく部屋です。これにより入院時から家族の方と、新しい命の誕生を迎えることができます。産褥個室は産後の24時間母児同室を目的とした部屋です。近年母親と新生児のスキンシップはその後の育児も含めて、その重要性があらゆる面で強調されているところです。出産直後からのカンガルーケアー(直接お母さんの胸の上に赤ちゃんを乗せて授乳を開始すること)から始めて、母児同室によりさらにそのスキンシップを深めていくことができると思われます。さらに父親もそこに参加することで家族の絆の端緒としたいところです。 NICU室は今まで分離していた周産期/新生児部門をワンフロアーに統合集中化するため、23病棟にNICU室6床を移転設置しました。今後、分娩室で新生児科医が関わりながら、ハイリスク児の管理を徹底し、より安全・安心なお産を可能にしました。

ソフト面についてはその総称をハローベビーシステムと命名し、ハローベビーカルテ(胎児カルテ)、ハローママーカードハローベビーカードを中心に据えて充実していきます。ハローベビーシステムは胎児期より胎児にIDを作成し胎児カルテ(ハローベビーカルテと命名します)を作成し、時間軸に沿ったスクリーニングを行い周産期管理を経て、その胎児情報を母体情報とともに小児科カルテとして小児科管理へと円滑にリエゾン/移行することを目的としました。具体的には、胎児情報として妊娠初期、中期、後期の超音波診断による胎児形態的診断、妊娠満期のBPS(biophysical score)で胎児の健常性を確認しながら分娩を待ちます。母体情報としてはクラミジア、GBSを含む各種周産期感染症、妊娠糖尿病、妊娠貧血などのスクリーニングを行います。これらの情報はすべて小児科カルテに移行し、その後の新生児~小児期診療情報として保存されます。そして将来何らかの疾患が発症した場合の診断・治療の胎児期情報として資することが期待されます。

ハローママ・ハローベビーカードは24時間母児支援システムとして、既に平成14年から当科で行っているシステムです。これは成育医療の母児支援の取り組みの一つとして、平成12年より開始したシステムです。最近の核家族化、密室の育児などの社会背景を反映して、妊産婦の妊娠、育児に対する不安は増加の一途を辿っているようです。そこで妊娠中および出産後3ヶ月までの妊産婦の生活、育児に関して24時間いつでも相談できるように、ハローママカード/ハローベビーカードを発行して、24時間の母児支援体制を作りました。専用PHPで23病棟助産師が相談者からの問い合わせに応対します。必要があれば産婦人科医、小児科医に連絡します。相談件数は年ごとに増加し、相談内容も多岐にわたっています。電話で手軽にいつでも相談できる助産師がいることが好評で、全国的に例のないシステムとして、評価されております。

以上のように可能な限り母児を医療面、保健、心理面から支援するシステムを目指しています。是非当院成育医療センターを受診してみて下さい。

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成育医療の展開

成育医療」とは、これまでの診療科、年齢の枠を超え、妊娠、胎児から出生、小児、思春期を経て成人への発達というサイクルに関わる医療を、総合的かつ継続的に診ていく新しい概念の医療です。
松山赤十字病院では産婦人科、小児科病棟を改修、改編、統合した成育医療センターを設置し平成16年7月1日に稼動を開始しました。その目的は妊娠中から思春期まで一貫して子供とその家族を医療、保健、心理面から支援(母親父親支援、育児支援、虐待予防、家族機能形成支援、軽度障害児支援等を含む)を行うことです。

ハード面においては、産婦人科病棟ではLDR室の設置、分娩室の更新を行い療養環境を改善しました。
産褥室をすべて個室とし健康児と母親が共に過ごせる24時間母児同室としました。さらに現在まで分離していた周産期/新生児部門を統合集中化するため、産婦人科病棟にNICU室6床を移転し、その後方病床であるGUC;growing care unit 4床を設置しました。
小児科病棟は小児科、小児外科その他小児、思春期関連科の病棟として改修し、小児救急に対応するためのPNICUに準じた重症室、小児思春期の問題に対応するための臨床心理士3名を常駐したカウンセリングルームの設置を行い、その他の入院設備の療養環境の改善を行いました。

ソフト面においては、妊娠初期に胎児にIDを与えスクリーニングを行い、分娩後、周産期診療情報として小児科カルテにそのまま移行する胎児カルテ(図1)の導入、さらに24時間母児支援システムとして、助産師による電話相談を中心としたハローママ/ハローベビーカードの導入を行い、より細やかな周産期の母児情報伝達、育児支援を行うことを目的としました。これらの導入により、周産期/小児科/小児外科/関連各科の医師、看護師、パラメディカルの連携を密にして、総合的かつ継続的な医療、保健支援システムの構築を目指したいと考えています。

最近の育児不安の広がりや虐待等の問題、産科取り扱い施設の減少など、日本の産科医療共通の社会的問題を背景に、成育医療の概念が少しずつ社会的に認知を受けているように思われます。

診療内容は従来の産科医療、周産期医療に加え、成育医療面で母子のメンタルヘルスのケアに力を入れています。成育医療センター内にボランティアセンターを設立し、専任の臨床発達心理士5名と成育医療心理ボランティアと称するカウンセラー約60名を配し、妊娠~分娩後までに至るカウンセリングを中心とした母子のサポートのシステムの確立を目指しています。

特に妊娠中に関しては、特に育児不安が心配される妊婦を対象に、マタニティー・サポートと称し継続的なカウンセリングのシステムを運用しています。また育児負荷の大きい双胎妊娠を対象とした双胎サポートも全例の双胎妊婦に対して行っております。これらのサポートの目的は育児不安の軽減と将来的な虐待発生の予防を目指しています。
このように獏たる不安を抱える妊婦に医療面、心理面から安全・安心を提供することで今後の少子化による分娩数の減少にある一定の歯止めをかけたいと考えています。

関連資料
平成25年周産期統計
成育医療勉強会

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