放射線診断技術課では、X線を用いて体の中を調べるX線検査(レントゲン)や、磁石や電波を使って体の中を調べるMRI検査など、さまざまな検査を行っています。また核医学検査は放射性同位元素(アイソトープ)を使って体の状態を画像や数値にする検査です。どの検査も必要最低限の放射線を使って診療を行っています。中には放射線を利用しない検査もあります。検査を受けるにあたって不安がある方はお気軽にお尋ねください。
X線撮影とは一般的にレントゲン撮影と呼ばれている検査の事です。この検査は放射線を使った検査の中でも比較的被ばくが少なく、例えば胸部撮影一回の被ばく線量は東京―ニューヨーク間を飛行機で往復する際の被ばく線量の約1/4といわれています。
当院のX線撮影室は、立位胸部・腹部撮影専用の部屋が一部屋といろいろな部位の撮影ができる汎用性の高い部屋が四部屋あります。FPD(フラットパネルディテクタ)という、放射線を感知して画像化するシステムを使用しており、被ばく線量の低減や撮影時間の短縮、高画質化等が実現され、より安全で高度な検査を行えるようになっています。
透視部門での装置は全部で5台あり、北棟X線透視室に2台、南棟X線透視室に3台設置されています。FPD(フラットパネルディテクタ)を搭載した装置で、少ない被ばく線量で高画質の画像を提供しています。
北棟X線透視室では健康管理センター(人間ドック)の胃透視検査を行っており、午後は呼吸器センター、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、臨床腫瘍科、外科、小児科等の各診療科の特殊撮影を行っています。
南棟X線透視室では主に胃腸センターや肝胆膵センター、泌尿器科の検査を行っています。
マンモグラフィ検査は乳がんの早期発見に有効な検査です。当院では乳腺外科からの依頼による撮影に加え検診マンモグラフィも行っており、全ての撮影において女性技師が担当しています。
マンモグラフィ装置にはFPDが搭載された「Amulet」を導入しており、低線量で高画質な画像を提供しています。
乳房内の微少石灰化や腫瘤等を画像上に描出するため、透明な板で乳房を圧迫して撮影します。乳房を圧迫することによって乳房内の組織をより鮮明に写すことができ、身体の動きによる画像のボケも防止することが可能です。
また被ばく線量の低減も期待できます。(圧迫により乳房厚が1cm薄くなると被ばく線量が半分になると言われています。)
圧迫時には人によって痛みを感じることもあります。
当院で使用している装置には、圧迫後の乳房厚を変化させずに圧迫感のみを軽減する”なごむね”機能を搭載しており、さらに乳房に合わせて圧迫板を使い分けることによって、可能な限り検査時の痛みを軽減できるように努めています。
一本一本の歯をそれぞれ撮影する装置と、歯や顎を全体的に一度に撮影出来る装置があります。歯の撮影では口の中に放射線を感知するシートを入れ、そこにピンポイントに放射線を照射するためとても少ない線量で検査が行えます。
また全体を撮影する方法では歯や顎、顎関節等、多くの情報を一枚の画像で得ることができます。他にも顎関節の動きを見る撮影等、さまざまな検査を行っています。
X線を利用して骨の密度を測定する検査で、骨粗鬆症や骨量の経年変化の診断に有効です。
骨粗鬆症は加齢によるものの他にホルモンバランスの変化やステロイド薬の定期的な服用、運動不足等さまざまな要因によって引き起こされます。定期的に骨密度を測定することで自分の骨の状態を把握することができるため、骨折の回避にも繋がります。
当院では二種類のエネルギーのX線を用いて測定を行うDEXA法を採用しており、より精度が高く正確な測定が可能です。
X線CT検査とは、体の周り360°からX線を照射して撮影することで、輪切りの画像を得られる検査です。コンピューターで処理をすることで血管や骨だけの画像や3次元画像等を作ることもできます。
当院では4台のCT装置で検査を行っています。被ばく低減技術はもちろん、装置ガントリー中央部のモニターに子供向け検査説明補助アニメーションを表示し、不安や恐怖感を和らげ、スムーズで安全な検査をサポートする機能が装備された装置もあります。
当院ではCanonメディカル社製320列CT Aquilion ONEを含め、計4台のCT装置で検査を行っています。 Aquilion ONEは、脳や心臓などの臓器全体を1回転で撮影でき、低被ばく線量で高精細な画像が得られ、臨床価値の高い検査が行えます。被ばく低減技術の他、装置ガントリー中央部のモニターに子供向け検査説明補助アニメーションを表示し、不安や恐怖感を和らげ、スムーズで安全な検査をサポートする機能も装備されています。
CT検査は装置のベッドに寝て検査を行います。検査時間は検査の目的や種類によっても異なりますが、5~10分程度です。検査によっては造影剤を使用することや、事前に飲食を控えていただくこともあります。
他にも、以前造影剤によって何らかの副作用を起こされた方は注意が必要なのでお申し出ください。
MRI検査とは強い磁石と電波を使って画像を得る検査です。X線を使わないため放射線被ばくはありません。
装置の形状はCT装置と似ていますが、CT装置とは大きく異なる点が音の大きさと検査時間です。
MRI装置は装置の特性上、検査中に大きな音が発生します。少しでも和らぐように、ヘッドホン等を着用していただいて検査を行っています。 また、さまざまな検査方法を組み合わせてより詳しく検査を行うため、どうしても検査時間が長くなってしまいます。通常の検査時間は15~30分程度です。待ち時間短縮のため完全予約制での検査を行っています。
近年、急性期脳梗塞の診断にはCT・MRIの検査が不可欠となっており、24時間いつでも対応出来るような体制を整えております。CT・MRI検査の予約は、『各診療科』及び『地域連携室』が窓口となっており、可能な限り患者さんのご希望にそえるよう調整を行っております。
カテーテルという細い管を患者の血管内に挿入し、造影剤を注入して、血管性病態の診断を行います。得られた診断結果をもとに血管形成術、動脈塞栓術、血栓溶解療法などの血管内治療(Interventional Radiology)を行っています。また、様々な緊急検査・治療に24時間対応可能な体制をとっています。
低被ばくで高画質、高機能の血管撮影装置3台が稼動しています。医師や看護師、臨床工学技士など、他職種とも連携を取り合い、迅速かつ安全で確実な血管内治療を提供できる体制を整えています。
手術室としての機能と心血管X線撮影装置が組み合わさった構造のハイブリッド手術室です。平成30年1月より運用されており、主にステントグラフト(人工血管)等の血管内治療が行われています。従来使用されていた移動式X線透視・撮影装置の画質や操作性等における欠点が解消され、より高度で安全な手技を迅速に行うことが可能になりました。
令和1年10月からは、大動脈弁狭窄症の治療である経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)が開始されました。
病室を出ることが出来ない入院患者さんのために、移動可能なポータブルX線撮影装置で病室まで撮影に行きます。
また手術室で術中や術後撮影を行うこともあります。手術室での撮影は骨折等での固定や人工関節の確認、チューブの確認、体内への異物混入の有無等、行った手術によってさまざまな目的で行われます。