日本赤十字社 松山赤十字病院

  • 文字サイズ

松山赤十字病院携帯サイト

松山赤十字病院携帯サイト

  • アクセス
  • 外来診療のご案内
  • 救急のご案内
  • お見舞いのご案内
臨床研究のご案内
「難治性食物アレルギーに対する緩徐経口免疫療法の有効性および安全性の検討」

松山赤十字病院小児科では、2016年4月より上記標題の臨床研究を実施しております。
本研究の概要は以下の通りです。

(1)研究の背景
 幼児期に発症した子どもの食物アレルギーの多くは自然に治りやすく、多くは5歳までに食べることができるようになります。しかし、中には5才を超えてもなかなか食物アレルギーが治らない患者さんがいらっしゃる(約10~20%)ことが知られています。
 最近までは、そのような治りにくい食物アレルギーの患者さんの治療は、原因食物の摂取を避けることで症状が出ないようにして自然に軽快するのを待つという「食物除去」が中心でした。そのため、治りにくい食物アレルギーをもつお子さんはひたすら食事除去を続けるしかありませんでした。このようなお子さんは外食や学校給食等での誤食により強いアレルギー症状が誘発される可能性があり、日常生活での負担が大きいことが問題になります。
 近年,年長児になっても治りにくい食物アレルギーのお子さんを対象に「経口免疫療法」が注目されています。経口免疫療法とは、症状が出ない程度の量の原因食物の摂取から開始して、その量を段階的に増量していくことにより過剰な免疫応答を抑え、最終的にアレルギーの根本的治癒を目指す治療法のことです。数年前から海外そしてわが国でも経口免疫療法が有効であったとの報告が増えてきており、食物アレルギーを治す可能性がある新しい治療法として期待されています。

pediet01

 しかし、経口免疫療法は良い面ばかりではなく、経口免疫療法を受けたほとんどのお子さんは何らかのアレルギー症状を経験し、時にアドレナリン筋肉注射を必要とするような重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーや好酸球性食道炎など)を引き起こす可能性があり、安全面に十分に配慮する必要があります。


(2)研究の目的
 私たちは、経口免疫療法(緩徐法)による食物アレルギー(鶏卵・牛乳・小麦)の治療の当院における有効性・安全性を評価することを目的としています。


(3)研究の対象となる方
 松山赤十字病院の小児科を受診し、食物(鶏卵・牛乳・小麦)による明らかなアレルギーをもつ5~15歳のお子様について、実施させていただきます。


(4)研究の内容・方法

pediet02

 まず、本研究の内容について研究担当の医師からお母様に説明をいたします。本研究の内容に同意をいただいた患者様にのみ治療を行なって参ります。
 まず、治療前に「経口負荷試験」を行い、お子様のアレルギー症状がどのくらいの量のアレルゲン食物で起きるか(閾値)を確認します。経口負荷試験については、別紙の「経口負荷試験の説明書」を用いて主治医より説明いたします。
 経口負荷試験で閾値が判明した後、「経口免疫療法」を開始します。開始する前に、自宅で起こり得るアレルギー症状に対して、抗ヒスタミン薬・経ロステロイド薬・吸入気管支拡張剤・アドレナリン自己注射薬(エピペン)をあらかじめ処方し、それぞれの薬剤をどのタイミングで使用するか説明をいたします。また、経口免疫療法中はアレルギー症状の予防の目的で抗アレルギー剤を毎日内服します。また、自宅で出現したアレルギー症状に対して24時間体制で当院の救急当直医が対応するようにいたします。
 当院で行う経口免疫療法は、「緩徐法」という方法で行います。「緩徐法」はごく微量の食品から摂取を開始し,数か月かけて目標量まで増量する方法です。摂取する食物の量は必ず研究担当医師の指示に従ってください。具体的には、はじめはごく少量(閾値の10分の1量)の食物から開始します。1日1回毎日食べていきます。症状がなければ、1週間ごとに食べる量を少しずつ増やしていきます。ただし、患者様によっては主治医の判断でより緩やかに増量することがあります。目標量に到達したら、その量を維持して毎日食べます。アレルギー症状が出た際は、その後の摂取する食物の量を減量します。その後、症状が落ち着けば再び増量を行います。2回減量を行った場合は増量せずに毎日摂取を継続します。
 経口免疫療法中は原則1-2週間毎に当院小児科外来に通院が必要です。経口免疫療法中に血液検査と皮膚テストを定期的に行います。本研究は、治療開始後6か月間を対象期間としています。対象期間以降についてはお子さまにとって治療が有効であると主治医が判断した場合は、その後も引き続き当院小児科外来で同様の治療を継続してまいります。
 本研究では、検査結果や患者さんの情報は、氏名など個人情報が外部に漏れることがないよう十分留意します。また、プライバシー保護についても細心の注意を払います。この研究に参加する同意を撤回された場合には、検体は直ちに廃棄します。


(5)この研究に参加した場合に受ける利益、不利益、危険性
 この研究に参加することによる利益として、摂取できる食物(鶏卵・牛乳・小麦)の量をある程度増やすことができる可能性があり、今まで行ってきた食事除去の程度を緩和できる可能性があります。
 この研究による不利益や危険性については、①定期的な外来受診②定期的な血液検査にかかる疼痛③突発的なアレルギー症状の出現・治療(場合によっては入院)があります。お子様の血液検査は、可能な限り少量で行います。


(6)利益相反
この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者が活動して収入を得ているようなことはありません。


(7)研究結果のお知らせ
 研究結果の開示は、ご本人あるいは代諾者が希望される場合に、研究担当者より行います。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なくお尋ねください。なお、この研究は患者さんのデータを個人情報がわからない形にして、学会や論文等で発表しますので、ご了解ください。


(8)同意及びその撤回
 この研究についてご理解いただき、研究に参加していただける場合は別紙「同意書」に署名をお願いします。一度同意された場合でも、いつでも撤回することができます。その場合は担当医師に口頭で伝え、かつ、別紙「同意撤回書」に署名してください。なお、同意されなかったり、同意を撤回されたりしても、それによって診療上不利になることはありません。


(9)この研究についての問い合わせ先
医療機関名  松山赤十字病院成育医療センター 小児科
所在地     愛媛県松山市文京町1
電話番号    089-924-1111
研究責任者  津下 充 (つげ みつる)

▲このページのトップへ